(※写真はイメージです/PIXTA)
定年が暴く「夫婦の経済格差」という不満
浩一さんのように、平均を上回る収入がありながら、少ない小遣いで生活を強いられている夫は、決して少なくありません。
株式会社プラスエイトが2025年3月に発表した調査(既婚男性対象)によると、浩一さんと同じ50代男性の49.2%、実に約半数が「お小遣い制」であると回答しています。また現在の小遣いとして、50代でありながら「月1万~3万円未満」が38.4%と4割弱。お小遣い制の50代、かなり厳しい懐事情であることがわかります。
そもそも、いつからお小遣い制なのかというと、「結婚当初」が83.9%と圧倒的。お小遣い制の夫は結婚してからずっと、妻との交渉に全力を注いできたといえるでしょう。
お小遣い制の理由として「家計の管理を効率的にする」が56.8%と挙がる一方で、不満の理由としては「自由にお金が使えない」「金額が少ない」が上位を占めています。
夫にとって「退職金」は、長年の労働の対価。婚姻期間によって、退職金の一部は夫婦の共有財産であるものの、ツラいサラリーマン人生、最後にドンと大金を受け取れるから頑張ってきたという人も多いでしょう。それなのに、これからも経済的抑圧が続くとなると、田中さんのように「退職金は渡さない!」という反乱が起きても当然なのかもしれません。
田中さん、初めての反乱から半年ほど経ったといいますが、結局、「家計に2つの財布があるのは非効率」と、夫婦共同で管理することにしたそうです。
「会社人間だったことに、少し負い目を感じていた。だから妻がどのようにお金を使っているか、目をつぶってきました。結局、大したことにお金は使ってなかったのですが……。今は、適度にお金を使おう、毎日を充実させようと、夫婦で話しています」
[参考資料]
株式会社プラスエイト『【自分で稼いだお金なのに使えない....】8割以上がお小遣い制は結婚当初から!20代男性の約4割は家計管理に不満と回答』