貴金属投資とは?金・銀・プラチナの違いと資産防衛に生かす方法【エコノミスト・エミン・ユルマズ氏が解説】

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石福金属興業株式会社
貴金属投資とは?金・銀・プラチナの違いと資産防衛に生かす方法【エコノミスト・エミン・ユルマズ氏が解説】

石福金属興業発表の価格にて、2025年9月29日、金(ゴールド)の国内販売価格が初めて1グラム2万円を超え、貴金属投資への注目が一層高まっています。インフレ、地政学リスク、円安などが複合的に影響するなかで、「資産を守る手段」として再評価されているのが金・銀・プラチナといった貴金属です。本記事では、エコノミストのエミン・ユルマズ氏が、貴金属投資の基本から種類ごとの特性、活用方法までを詳しく解説。初心者にもわかりやすく、資産防衛として貴金属を活用する視点を提供します。

「貴金属投資」とは

貴金属投資とは、金(ゴールド)や銀、プラチナ、パラジウムなどの希少金属に資金を投じ、値上がり益を得たり資産を防衛したりする投資手法のことです。

株や債券といった金融資産とは異なる値動きをするため、リスク分散(ポートフォリオの安定化)に有効とされます。また、金や銀などは現物資産として保有することもでき、インフレや有事の際でも価値を失いにくい「安全資産」として世界中の投資家から支持されています。

とくに近年では、経済不安や金融政策の変動、地政学リスクの高まりなどを背景に、改めて貴金属への関心が高まっています。

なぜ「貴金属投資」が注目されているのか

インフレ・通貨不安と貴金属の関係

世界的なインフレ傾向や金融緩和政策の長期化、そして地政学リスクの高まりにより、多くの投資家が「通貨の価値」に対して不安を抱えています。日本でも物価上昇が続くなか、円の購買力低下を感じている方は少なくないでしょう。

こうした状況において、現物資産である金や銀などの貴金属は「インフレに強い資産」として再評価されています。株や債券とは異なる値動きをするため、資産のバランスを取るヘッジ資産としても機能し、とくに長期的な視点で資産を守る目的に適しているのです。
 

2025年、金価格が過去最高を更新した背景

2025年9月29日、日本国内の金販売価格が1グラムあたり2万円を超え、史上最高値を記録しました。これは、米国をはじめとする主要国の金融政策が転換期を迎えている中、インフレ率の高止まりが続き、景気後退懸念を背景にした利下げが進行しているにもかかわらず物価が下がらないという状況が背景にあります。

加えて、ドルの基軸通貨体制に対する懸念が高まり、BRICS諸国を中心に金へのシフトが加速しています。各国の中央銀行が金を大量に購入する動きも、需給をタイトにし、金価格の上昇に拍車をかけているのです。
 

金・銀・プラチナ・パラジウムの特徴と投資のポイント

それぞれの金属が持つ素材としての性質と投資対象としての特性は次の通りです。
 

金(ゴールド)とは

金(ゴールド)は、古代から世界中で資産としての価値が認められてきた代表的な貴金属です。化学的に安定しており、長期間にわたって輝きと価値を保ち続ける性質を持っています。

また、インフレや有事の際にも価値が下がりにくく、「安全資産」として多くの投資家に選ばれています。世界中で金融商品としての取扱いも多く、流動性が高い点も金の大きな魅力です。
 

銀(シルバー)とは

銀(シルバー)は、金と並んで古くから貨幣や装飾品、ジュエリーなどに使われてきた金属です。近年では半導体、太陽光発電、電子機器といった工業用途が拡大しており、実需の裏付けがある資産といえます。

その反面、価格は景気や需給バランスの影響を受けやすく、金に比べて値動きが大きくなりがちです。とはいえ、金よりも安価なため、少額で投資を始めたい初心者にも向いています。
 

プラチナとは

プラチナは高い硬度と耐久性を誇る金属で、自動車の排ガス浄化装置(触媒)や工業用途に多く利用されています。世界全体での採掘量は非常に限られており、希少価値の高い金属です。

かつては金より高い価格で取引されていましたが、私(エミン氏)自身の考えでは、プラチナは産業需要や景気の影響を受けやすいため、相場を見ながら中短期的に取引するスタイルに向いていると感じています。ただし、供給量の少なさや将来的な需要を見据えて、長期的な視点で保有するという考え方も十分にあるでしょう。
 

パラジウムとは

パラジウムは、酸化や腐食に強く、非常に柔らかい性質を持つ金属です。世界の供給量の約9割が自動車の排ガス浄化装置などの産業用途に使われており、景気や地政学的リスクによって価格が大きく変動します。

とくにロシアや南アフリカなど特定地域に産出が偏っているため、供給不安によって価格が急騰することもあります。流動性が低く投資難易度が高いため、パラジウムは投資経験者向けの資産といえるでしょう。
 

注目の貴金属別にみる市場動向と将来展望

金(ゴールド)|世界が注目するマネタリーアセット

2025年、金はもっとも注目を集めている貴金属資産です。年初来で40%以上も価格が上昇し、他の資産と比べても圧倒的なパフォーマンスを示しています。

この背景には、世界的な利下げ局面でもインフレが抑えられず、「実質金利が低い水準」で推移していることがあります。インフレに強い金にとっては追い風です。

さらに、BRICS諸国を中心とした「脱ドル」の流れの中で、各国中央銀行が金を積極的に購入。これが需給を押し上げ、金価格を支えています。

現在のチャートからも明らかなように、金は長期的な上昇トレンドに突入しており、2025年10月20日現在、すでに4,200ドルを超えています。
 

銀(シルバー)|金との連動と実需の強さ

銀は、金の価格上昇とともに資金流入が加速しており、2025年5月以降には顕著な値上がりを記録しました。投資家の間では「金より手が届きやすい実物資産」として人気が高まっています。

また、銀には産業用途が多く、とくに太陽光発電やEV、半導体などの分野での需要が増加しているため、実需によって価格が下支えされる構造となっています。

ただし、価格の変動幅は金より大きいため、投資の際には注意が必要です。2025年10月20日現在、すでに50ドルを超えています。
 

プラチナ|産業用途への依存と価格の不安定さ

プラチナはその約70%が自動車や産業用途に使われるため、景気や供給量に強く影響されやすい金属です。

かつては「金より高い貴金属」として知られていましたが、近年は安全資産として金に軍配が上がり、価格の主導権を奪われています。2025年の上昇幅が金を超えていますが、依然として相場は乱高下を繰り返しています。

今後も、景気や業界動向に応じて急騰・急落が起こる可能性があり、長期的な安定保有よりもタイミングを見極めたトレード向きの資産といえるでしょう。
 

代表的な貴金属投資の方法とその特徴

貴金属投資にはさまざまな手法があります。自身のリスク許容度や投資スタイルに合わせて、最適な方法を選ぶことが重要です。以下では代表的な4つの方法を紹介します。
 

現物購入|手元に残る安心感と所有欲を満たす投資

金貨やインゴットなどの現物を購入し、自宅や金庫などで保管する方法です。 最大の魅力は、手に取れる「現物資産」としての安心感。経済危機や通貨不安の際にも、自身の手元に資産があることで心理的な支えになります。

一方で、保管場所や盗難リスクへの配慮が必要です。また、売買時には手数料が発生し、スプレッド(買値と売値の差)が大きい点も留意しましょう。
 

積立投資|初心者でも始めやすい王道の長期運用

毎月一定額を決まった日に購入していく積立型の投資手法です。価格が高い時には少なく、安い時には多く購入する「ドルコスト平均法」により、リスクを分散しながら資産を増やすことができます。

とくに金や銀など長期的に安定した値動きを見せる貴金属とは相性が良く、初心者にもおすすめです。少額から始められ、継続しやすいのもメリットといえるでしょう。
 

ETF(上場投資信託)|証券口座から手軽に投資可能

ETFは、証券会社を通じて株式のように売買できる金融商品で、金や銀などの価格に連動するものがあります。

現物と異なり、保管の必要がなく、少額からでも手軽に取引できる点が魅力です。流動性が高いため、売買のタイミングも柔軟に選べます。

ただし、ETFの種類によって運用するファンドの手数料が異なりますので、コスト面も比較検討することが重要です。
 

先物取引|ハイリスク・ハイリターンの投資上級者向け

先物取引は、将来の価格で貴金属を売買する契約を行う手法です。レバレッジをかけられるため、少ない資金でも大きな取引が可能となります。

しかし、値動きが大きく、思惑と逆に進んだ場合には損失も膨らむリスクがあります。短期での大きな利益を狙える一方で、投資の知識や経験が必要不可欠です。

初心者には難易度が高いため、まずは現物や積立、ETFなどの安定した方法から始めるのが賢明でしょう。

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