保険だけで考えないことも大事

保険の加入期間や払込期間満了までの期間は人それぞれです。

大事なのは保険だけでの解決を考えないということです。ほかの支出や資産の状況、収入源となる制度がないのかなどお金を全体的に見ることや、今だけでなく1年後、数年後を想定していくことが、あなたにとっての「最善の保険の選択」になるのではないでしょうか。

契約者貸付制度はよく考えてから!

契約している生命保険の解約返戻金の範囲内で、保険会社からお金を借りられる制度です。カードローンや消費者金融で借りるよりは利率が低いのですが、借入期間が長くなればなるほど借入金に対する利息が雪だるま式に増えていきます。繰り返し利用した結果、ほとんど解約返戻金が残っていない状況で保険料を支払っているケースも散見されます。

保険を残しておく方が良いのかどうかについても検討したうえでの利用をおすすめします。

リビング・ニーズ特約が利用できることも

リビング・ニーズ特約は、生命保険に付帯されている制度で、医師から余命6ヵ月以内というような診断を受けた場合に、保険金の一部を先払いで受け取れるしくみです。このお金を、生活費や医療費以外、また旅行などに使われている方もいました。

主治医と余命の話をすることが難しいという方や、ご自身のことだけでなく「家族に何か残したい」というお気持ちをお持ちの方もいますので、選択肢のひとつとして知っておいてもらえればと思います。

がんになった後に保険に入りたい場合

がんになった後でも入れる保険はあります。ただ、保険というのは必須のものではありません。本当に必要なのかどうかを考えてみる価値はあります。

まず「加入する必要があるか?」を考える

「今からでも、がん保険に入れるなら入りたいんです」こう言われる方もいますが、がんになってからも入れる保険についてはまず「加入できる」と「加入する必要がある」を切り離して考えることが大事です。なぜなら、がんになってからでも入れる保険は、通常の保険より保険料が割高になるためです。

「蓄えが少なくて、子どもが小さい間は保険料が高くても必要性を感じる」という相談者さんもいました。そういったケースでも、医療保険やがん保険については、高額療養費の自己負担額や貯蓄、今後の働き方や収入の見込みなども確認しつつ、どこまでの保障が必要か、保険料は支払えるのかも含めて、私は相談者さんと一緒に考えています。

がん経験者が入れる保険

がん経験者でも加入できるのは、次の3つの保険です。

1. 無選択(無告知)型保険:健康状態に関する告知や医師の診査なし

2. 引受基準緩和(限定告知)型保険:告知項目が少ない。がんが完治した状態でなくても申込みできる保険商品もある

3. がん経験者向けがん保険:再発・転移していないことが条件であることが多い

どれも告知内容を正しく理解してから加入することが重要です。告知内容に誤りがあると、告知義務違反として保険金が支払われないだけでなく、支払った保険料も戻ってこないケースがあるためです。告知内容で間違えやすいポイントをご紹介しますので、気になった点は保険担当者に十分確認しましょう。