年金繰下げ受給…「思ったほど増えない」ケースに注意

65歳から満額支給となる年金は、受給開始時期を遅らせることで増額が可能です。通常、1ヵ月あたり0.7％ずつ増えていき、70歳で42％、75歳繰下げで84％増えるとされています。

人生100年時代、長生きに備えて年金を増やしたいと考えている人も多いでしょう。しかし、「せっかく繰り下げたのに思ったほど増えない」ケースもあるため注意が必要です。

年金の繰下げ受給を考える夫婦

40年以上会社員を続ける65歳のAさんは、65歳以降も働き続けまもなく66歳になります。

65歳以降は、退職する人や再雇用によって給与が下がる人も多いなか、Aさんの年収は約700万円です。老後としては十分な収入を得られているため、年金はまだ必要ないと考え、65歳以降の老齢基礎年金と老齢厚生年金は受給していません。

Aさんは現状の年収のまま70歳まで働く予定のため、年金は退職後、70歳から受給するつもりです。

また、結婚前に数年間勤めていた期間を除けば専業主婦をしていた同い年の妻Bさん。Aさんと同じく、70歳まで老齢基礎年金と老齢厚生年金を繰り下げるつもりだといいます。

「70歳まで繰り下げた場合の試算」を依頼することに

AさんもBさんも、年金を繰り下げることで将来受け取れる年金額が増えるという情報は知っているものの、制度自体を詳しく把握しているわけではありませんでした。そのため、

・受給開始時期を70歳まで繰り下げることで、自分たちの年金額は具体的にどれくらい増えるのか

を正確に知るため、年金事務所で試算をしてもらうことにしたそうです。