相談者の悩みに真摯に向き合い、老後まで見据えたマネープランを作成し助言を行うなど、お金の面で人生の伴走者となってくれる税理士やファイナンシャルプランナー。これらの“お金の専門家”は、いったいどのような資産運用を行っているのか、気になるところです。そこで今回は、現役税理士でCFPの宮路幸人さんが自身の「資産運用を始めた理由」と運用状況について解説します。
子ども時代の“トラウマ”から「投資」を避けていた税理士・CFPが「資産運用」をはじめた理由 (※画像はイメージです/PIXTA)

「インデックスファンド」は投資初心者の味方

 

NISAを使っていざ資産運用を始めようと思ったとき、頼りになったのが「インデックスファンド」です。

 

投資信託は、「株式投資」から想起されるような1つの企業を選んで投資するスタイルではなく、投資家のお金を専門家(運用会社)に託し、運用会社が国内外の株式や債券などに投資・運用します。私は本業が忙しいので、個別銘柄を物色する時間がなかなかとれません。そのため、投資先も専門家に任せることができ、さらに投資の基本である「分散投資」の機能も兼ねる投資信託は重宝しました。

 

この投資信託には、指数を上回るパフォーマンスを狙う「アクティブファンド」と、株価指数に連動する「インデックスファンド」があります。筆者は数十年ぶりの資産運用をするうえで「インデックスファンド」を選びました。

 

全米株式ファンドと全世界株式ファンドを組み合わせて、2023年は120万円、2024年は360万円と上限いっぱいに投資しました。2025年は、2月現在ですでに140万円を投資しています。

 

長年投資に怖気づいていたはずの私が、どうして上限ギリギリまで投資を?と思うかもしれません。

 

まず、前回の失敗を活かして「許容できるリスク」の範囲内で「長期の目線」を意識して資産運用をはじめたことで、 “投資=ギャンブル”という印象はどんどん薄れていきました。そして、定期預金のお金はしばらく使う予定がなかったため、お金の置き場を定期預金からNISAに移すような感覚で上限ギリギリまで投資しました。

 

その結果、投資をはじめて1年半ほどで、現在約100万円の運用益となっています。始めるタイミングが良かったことも大きいかもしれません。 2025年1月、米国で第2次トランプ政権が発足しましたが、トランプ氏の政策次第で世界経済の状況が変わる可能性が多いにあるため、今後も順調にいくかどうかはわかりません。しかし、いまのところNISAを始めて本当に良かったと思っています。

 

投資信託のほか、金投資と外貨預金もスタートしたが…

また、インデックスファンドへの投資と同時期に、金(ゴールド)の積立投資も始めました。金投資を始めたのは、株式投資に対するリスクヘッジという意味もありますし、近年、金の価格が昔に比べ大幅に上昇していることから、今後も上昇が期待できるのではないかと考えたためです。株価が低迷した場合、そのお金が金相場に流れ、価格は上昇するのではないか?と考えています。

 

投資額は当初月3,000円ぐらいでしたが、金相場が上がっていることもあり、金額を10,000円、50,000円と少しずつ増額していきました。

 

加えて、円相場が安くなっていることもあり、外貨預金も始めることにしました。

 

ドル円相場が1ドル=200円まで上がる可能性があると聞き、こちらはまず50万円分を米ドルとユーロに分散して購入しました。しかし、外貨預金を始めた途端に円高となり、約10万円の評価損となってしまいました。

 

投資初心者があまりいろいろと手を出すのは良くないと反省し、金の積立と外貨は清算することに。両方の損益を通算すると、ほぼ損益ゼロとなりました。

 

では、現在は投資信託のみか、というと、そうではありません。相談を受ける機会が増えたことから、半年ほど前にビットコインを50万円購入しました。これは、値下がりしてもアタフタしない「許容できるリスク」の限界の金額でした。

 

評価損益は現在ほぼプラスマイナスゼロです。価格変動が激しく不安定な相場ですが、勉強のためにも保有を続けようと考えています。