コンビニは「シニア」であふれている?

コンビニエンスストア(以下、コンビニ)は食料品や日用品、衣料品はもちろんのこと、公共料金の支払いや宅配便、ATMサービス、コピーにFAX、チケット購入、各種行政サービスまで、多岐にわたるサービスを24時間取り扱っています。

そんなコンビニの客層はというと、50歳以上が全体の3分の1以上を占めているようです。

出所:
【図表】年齢別客数構成比(2023年度)株式会社セブン&アイ・ホールディングス「コーポレートアウトライン2024年版」より引用

いまや日常生活に不可欠なインフラとなったコンビニ。しかし、その一方でシニアの“コンビニ依存”が深刻な問題となっていることはご存じでしょうか。

無計画の老後生活を始めたAさん

半年前に20歳から勤めた食品製造会社を定年退職したAさん(65歳)は、3歳下の妻Bさんとの二人暮らしです。子どもは2人いるものの、どちらも家庭を持ち別の場所で暮らしています。

A夫妻の現在の収入は、老齢厚生年金(月あたり16万円)と、Bさんのパート収入7万円、あわせて約23万円です。また、Bさんが65歳になってからは、夫婦で月あたり23万円の年金を受給できる見込みです。

なお、退職金で住宅ローンの残債を完済したため、貯金は700万円あまりと少々心もとない額となっています。

Aさんは定年退職の際、Bさんには「しばらくはゆっくり過ごしたいし、働く気はないよ」と言っていました。

一方、Bさんは週4日パートで働いていました。パート仲間との旅行も楽しみで、引き続き勤めています。そのため、Bさんがパートに行っている日中、Aさんは自宅でひとり過ごしていました。