(※写真はイメージです/PIXTA)
Aさんに立ちはだかった“思わぬ壁”
とはいっても、自宅には1歳になる息子がおり、帰宅後は妻と子育てに励むAさん。自宅での勉強は現実的ではないと感じていました。
そこでAさんは、受験対策の予備校に通って勉強することを考えます。同じ目標を持って勉強する人がいる環境は、モチベーションの維持になると考えたからです。
しかし、受験予備校に通うとなると、多額の費用がかかります。合格すれば予備校費用を会社が負担してくれる、などの支援制度はAさんの勤める会社にはありません。予備校のパンフレットを見ると、Aさんの講座の費用は合計15万円。
「うーん、15万円を全額自腹か……。これから息子の育児に費用がかかるし、家計的に負担が大きいな……」
キャリアアップのために資格取得を決意したAさんの前に思わぬ壁が立ちはだかります。
予備校の窓口が教えてくれた「教育訓練給付金」の存在
そんな悩みを抱えているとき、受験予備校の窓口から届いた案内によって、Aさんは雇用保険の「教育訓練給付金制度」の存在を知りました。
教育訓練給付金とは、資格取得やスキルアップのための指定の講座を受講・修了した場合に、その一部が給付金として支給される制度です。
Aさんの受講する講座については、4月~9月までの6ヵ月間の講座で、教育訓練給付金のうち「一般教育訓練給付金」の対象の指定講座になっているとのことでした。これは、入学金と1年以内の受講料の20%が支給される給付金制度です(※10万円が給付金の上限)。
その講座について80%以上の出席と修了テストでの70%以上の得点が修了の条件になるとのことで、修了後ハローワークに申請すれば給付金が受給できます。
Aさんが検討している予備校は入学金がなく、受講料のみで15万円のため、Aさんにはそのうちの20%・3万円が支給されることになります。
「全額じゃないけど、給付金で負担が一部でも軽減されるようなら助かるな」と少しだけ安堵したAさん。自己投資の資金として妻を説得し、住宅購入の頭金として貯めていた貯金から15万円を支払い、予備校に入学します。