永山家の「その後」

新車のアルファードは、家族にとって特別な存在となりました。週末にはお弁当を持って公園に出かけたり、無料の施設で遊んだりと、出費を抑えながらも思い出をたくさんつくりました。

また、長男のバスケットボールの送迎でも大活躍。広い車内は乗り合わせにも便利で、保護者同士の交流にも役立ちました。

そして5年後。夫婦は話し合った末、教育費の増加を見据え、アルファードの買取は断念することに。アルファードは返却し、中古のファミリーカーへ乗り換えることを決断しました。

健太さんは、次のように振り返ります。

「ネットでは“残クレアルファード”ってバカにされがちですが、あれは嫉妬だと思います。本来であれば手の届かない高級車に乗れたのはいい経験でしたし、なにより家族の思い出が増えました」

もちろん、残クレには利息負担などのデメリットもあります。軽い気持ちで利用すれば、家計を圧迫するリスクも否定できません。

しかし、永山さん夫婦のように制度を理解し、計画的に活用すれば、有効な選択肢となり得ます。

「どう買うか」ではなく、「どう使いこなすか」。それが、家計における賢い判断といえるでしょう。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP