残価設定型クレジット(通称・残クレ)について、世間では「デメリットが多いサービス」とする否定的な意見も少なくありません。ただ、世間で言われるようなデメリットだらけのサービスであれば、はたしてここまで普及するものでしょうか。そこで今回、残クレを利用してアルファードを購入した30代夫婦の事例をもとに、残クレ利用者の実態を見ていきましょう。辻本剛士CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
残クレ叩きは嫉妬でしょうね…「残価設定ローン」で新車のアルファードを買った、世帯年収700万円・38歳“仲良し夫婦”の意地【CFPの助言】
永山家の「その後」
新車のアルファードは、家族にとって特別な存在となりました。週末にはお弁当を持って公園に出かけたり、無料の施設で遊んだりと、出費を抑えながらも思い出をたくさんつくりました。
また、長男のバスケットボールの送迎でも大活躍。広い車内は乗り合わせにも便利で、保護者同士の交流にも役立ちました。
そして5年後。夫婦は話し合った末、教育費の増加を見据え、アルファードの買取は断念することに。アルファードは返却し、中古のファミリーカーへ乗り換えることを決断しました。
健太さんは、次のように振り返ります。
「ネットでは“残クレアルファード”ってバカにされがちですが、あれは嫉妬だと思います。本来であれば手の届かない高級車に乗れたのはいい経験でしたし、なにより家族の思い出が増えました」
もちろん、残クレには利息負担などのデメリットもあります。軽い気持ちで利用すれば、家計を圧迫するリスクも否定できません。
しかし、永山さん夫婦のように制度を理解し、計画的に活用すれば、有効な選択肢となり得ます。
「どう買うか」ではなく、「どう使いこなすか」。それが、家計における賢い判断といえるでしょう。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP