アルファードがほしい…“あえて残クレ”を選んだ38歳夫婦

会社員の永山健太さん(仮名・38歳)は、パートとして働く同い年の妻と、2人の息子と暮らす4人家族です。世帯年収はおよそ700万円で、貯金は800万円ほど。家計も比較的安定しており、毎月5万円程度の貯蓄を継続できていました。

永山家はとても仲がよく、週末には家族そろって車で出かけることが習慣になっていました。近くの公園でピクニックをしたり、少し遠くの温泉地まで足を延ばしたりと、車は家族の時間に欠かせない存在です。

そんなある日、仕事から帰宅した健太さんが、珍しく興奮した様子でこう言いました。

「車を買い替えたいんだ。アルファード、乗ってみたらすごくよかったよ!」

話を聞くと、会社の先輩が最近購入したというアルファードに乗せてもらい、その快適な後席の乗り心地に心を奪われたのだそうです。しかも、先輩は「残価設定クレジット」というローンを利用して、月々の負担を抑えながら高級車に乗っているとのこと。

「アルファードはリセールバリューも高いから、残クレで買っても損は少ない。ムリせずに乗るなら、これが一番いいと思う」と、健太さんは熱心に説明します。

実のところ、永山家では以前から、車の買い替えを検討していました。第2子の誕生を機に中古で購入した7年落ちの軽ワゴンは、いまではやや手狭に。さらに、長男が通うバスケットチームの送迎や乗り合わせの機会も増える見込みでした。

妻もまた「広くて快適な車に乗り換えたい」という思いを抱いていたことから、健太さんの提案に興味を示します。

ただ、残クレとはいえローン返済が新たな家計の負担になることは確かです。

「これから子どもたちの教育費もかかってくるだろうし……確かに車は欲しいけど、本当に大丈夫かしら」

正直な不安を口にする妻に対して、健太さんも少し冷静になります。

「そうだな、無理して車を買って子どもたちに我慢をさせてしまったら親失格だし……でも、ほしいなあ。なにかいい方法はないかな」

悩んだ夫婦は、数年前に保険や家計の見直しで相談したことのあるファイナンシャルプランナー(FP)に、改めてアドバイスを求めることにしました。