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物価上昇品目数が7ヵ月ぶりに減少
消費者物価指数の調査対象522品目(生鮮食品を除く)を前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、6月の上昇品目数は417品目(5月は421品目)、下落品目数69品目(5月は64品目)となり、上昇品目数が7ヵ月ぶりに前月から増加した。上昇品目数の割合は79.9%(5月は80.7%)、下落品目数の割合は13.2%(5月は12.3%)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は66.7%(5月は68.4%)であった。
コアCPI上昇率は25年8月に3%を割り込む見込み
食料(生鮮食品を除く)は24年7月の前年比2.6%を底に上昇率の拡大が続き、25年6月には同8.2%となった。上昇率は前回の上昇局面のピーク(23年8月の前年比9.2%)に近づいている。
川上段階(輸入物価)の食料品価格の上昇率は23年夏頃に比べれば低水準にとどまっているが、川下段階(消費者物価)の価格転嫁率は当時よりも高まっている。飲食料品の輸入物価は20年秋頃から23年末にかけて約60%の急上昇となった。この間、消費者物価の食料品(除く生鮮食品)の上昇率は10%弱にとどまっていた。
これに対し、23年初以降の飲食料品の輸入物価上昇率はピーク時でも15%程度と前回の上昇局面の4分の1程度にとどまっているが、消費者物価の食料品は15%程度と輸入物価とほぼ等しい上昇率となっている。人件費や物流費の価格転嫁に加え、物価高が継続したことで企業の値上げに対する抵抗感が薄れていることがこの背景にあると考えられる。食料の上昇率は当面高止まりする可能性が高い。
一方、電気・都市ガス代の支援策は25年3月使用分(CPIヘの反映は4月)でいったん終了したが、7~9月使用分(CPIヘの反映は8~10月)で再開される。また、ガソリンは5/22から補助金を1リットル当たり10円に固定する制度が導入されていたが、原油価格高騰を受けて6/26から1リットル当たり175円を上回る部分を全て補助する仕組みに切り替えられることとなった。エネルギー価格は25年8月には前年比でマイナスとなる公算が大きい。
現時点では、コアCPI上昇率は、エネルギー価格の上昇率低下を主因として25年8月に9ヵ月ぶりに3%を割り込んだ後、年内は概ね2%台の推移が続くと予想している。

