定年後の「夫婦の危機」に備える3つの心得

定年を控えた方、すでにリタイア生活を始めた方には、ぜひ以下3点を心がけていただきたいと思います。

1. 夫婦での対話を増やす:一方的な理想の押し付けではなく、互いの望むライフスタイルを確認し合いましょう。

2. 制度的リスクを理解する:年金分割や財産分与の仕組みを事前に学んでおくことで、万一の場合の経済的ダメージを最小限に抑えられます。

3. セカンドライフの設計を共同で行う:定年後の生活は「夫の引退後の過ごし方」ではなく「夫婦の新たな人生設計」として捉えることが重要です。

「俺が一生懸命働いてきたのに…なぜこんなことに」と嘆く正雄さん。しかし、長年見過ごしてきた"夫婦間のすれ違い"と、"制度的リスクへの理解不足"が、彼の老後を想定外の方向に導いてしまいました。

定年は"終わり"ではなく、"新たな関係性を築く始まり"でもあります。今一度、「夫婦の在り方」と「お金の制度」を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

「もし時間を戻せるなら、定年前にちゃんと話し合っておくべきだった」と、正雄さんは静かに語ります。

参考:令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/index.html

三原 由紀
プレ定年専門FP®