内閣府「第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によると、60歳以上の男女が生きがいを感じる瞬間として最も多くあがっているのが「子供や孫など家族との団らん(55.3%)」でした。もっとも、なかには“子に怯える親”もいるようで……。子が成人を迎えた後の親子関係の難しさについて、とある家族の事例からみていきましょう。牧野FP事務所合同会社の牧野寿和CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
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A家の「その後」
それからしばらくして、Aさんが久しぶりに筆者の事務所を訪れました。聞けば、A夫婦とCさんの3人で、久しぶりに海外旅行に行ってきたと言います。
Aさん「孫の夏休みに合わせて日程を組んだんですが、孫は高校の部活が忙しいからって急遽不参加になったんです。でも、Cは旅先でも『子どもはいまなにをしているんだろう?』と心配するばかりで……。『いい加減に子離れしろよ』と言いたくなったんですが、そのときはたと気づいたんです。私たちもまったく子離れできていないんじゃないかって(笑)」
親子のかたちは、その家庭ごとにさまざまです。しかし、その関係に「お金」が介在すると、関係が円滑になるケースもある一方、複雑に絡み合ってトラブルに発展するケースも少なくありません。
そんなときは、当事者だけで悩むのではなく、今回紹介したA夫婦のように、利害関係のない第三者的な立場の人に相談することで、意外なほどすんなり問題が解決することもあるのです。
牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員