リスクの高い「カフェ開業」が成功した納得の理由

念願だった「カフェの開業(初期投資500万円)」は、移住後すぐに始めたわけではありません。

まずは地域の人々と交流を重ねるなかで「このあたりには、こんなお店があったら嬉しい」という声を少しずつ拾い上げ、そこから発想を膨らませて形にしたのです。

夫婦は、地域のイベントや集まりにも積極的に参加。ただ住むだけではなく「関わること」に価値を置いたことが、結果的に移住成功の大きな要因となりました。

もちろん、行動力や地域とのつながりだけでなく、早くからコツコツと整えてきた土台があったからこそ、無理のない形で夢を叶えることができたともいえるでしょう。固定費の見直し、NISAでの資産運用、無理のない住宅ローン……それら1つひとつが、将来の選択肢を広げる力となりました。

「移住を成功させるには、予算の管理と地域コミュニティとの関わりがなにより大事でした」

そう語る武司さんの姿には、自分らしい老後を切り開いたたしかな実感がにじんでいました。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表