「お金の安心」が「心の安心」とは限らない

年金も貯蓄もあり、生活には困っていない――そんなはずの老後に、「同居するわが子」が精神的・経済的な不安の火種となっているケースは、決して珍しくありません。

長寿化・晩婚化・非正規雇用の拡大といった現代的背景が、「子どもの自立」と「親の老後」を難しくしています。しかし、だからこそ“我が家の未来”に対して、お金・住まい・生活のことをオープンに話し合い、少しずつ行動を変えていくことが必要です。

野田さん夫婦のように、早い段階で「このままでいいのか?」と気づき、具体的な行動を起こせるかどうかが、後の暮らしを左右します。

「いざというとき困らないために」。親子が“共倒れ”にならないためにも、今からできる備えを始めてみてはいかがでしょうか。

小さな一歩が大きな変化を生みます。たとえ40代、50代からでも、自立への道は決して閉ざされていません。親子がお互いを思いやりながら未来に向けて歩み出すとき、それぞれの人生に新たな可能性が開けるのです。

三原 由紀
プレ定年専門FP®