ここ数年の物価高は、あらゆる場面で暮らしに影響を与えています。食費や日用品費といった日々の生活だけでなく、旅行などの“たまの贅沢”も例外ではありません。68歳の桐谷夫婦(仮名)は、この物価高を理由に旅行を断念。しかし、その後夫が一念発起し、「まさかの決断」をするのでした……。ファイナンシャルプランナーの辻本剛士氏が事例をもとに、「老後の住まい」について解説します。※プライバシー配慮のため登場人物の情報は一部変更しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
GWで浮かれる世間に腹が立つ…年金月17万円の68歳男性、旅費高騰で家族旅行を断念→テレビ相手に舌打ちの毎日。絶望の末「まさかの決断」に妻パニックのワケ【CFPが解説】
各自治体の「支援制度」を要チェック
また、多くの地方自治体では、移住希望者に向けてさまざまな補助金・支援金制度を設けています。
たとえば長野市の「長野市UIJターン就業・創業移住支援事業」では、長野市へ移住して就業または創業する2人以上の世帯を対象に、最大100万円の移住支援金を交付しています。
こうした制度をうまく活用することで、引越し費用や住宅費など、移住にかかるコストを大きく軽減することが可能です。
ただし、支援制度にはそれぞれ細かな利用条件が設けられていることが多いため、各自治体の公式ホームページや移住相談窓口で、詳細を確認するようにしましょう。
移住から3年…長野に“馴染んだ”桐原夫婦
すっかりこの土地での暮らしに慣れた桐原夫妻。長野に移住してから、3年の月日が流れました。
朝は自家製のトマトと手づくり味噌の味噌汁。昼は畑仕事に汗を流し、ときどき町の図書館や市民センターでのんびり過ごすこともあります。都会の喧騒から離れた穏やかな日々が、当たり前のものになっていきました。
また、最近では、同じように都会から移住してきた仲間も増えました。同世代の夫婦や、少し若い子育て世帯とも親しくなり、週末にはお互いの家を行き来して手料理を持ち寄った交流会を開くのが楽しみになっています。
「最初は、本当にどうなるかと思ったの。でもね、ここに来て正解だったわ」
庭の花に水をやりながら、仁美さんは充実した笑顔を見せました。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表