1971年~1974年に生まれた団塊ジュニア世代も、いまや50代に。就職氷河期や災害、コロナ禍などを乗り越えた現代の50代は、自分たちのこれまでの境遇や今後の展望について、どんなことを考えているのでしょうか。ルポライター増田明利氏の著書『今日、50歳になった 悩み多き13人の中年たち、人生について本音を語る』(彩図社)より、50歳~54歳の5人の座談会の様子を紹介。50代の“生の声”をみていきましょう。
「就職氷河期世代」「団塊ジュニア」と呼ばれ…共感の嵐!? 50代の男女5人が語った“悩み多き日本の50歳あるある”【座談会】
昔に比べて今の50歳は「幼稚」になった?
――50歳になって生活や考え方に変化がありましたか?
田淵:かなり構えていたけど大したことねえなって感じでした。少し拍子抜けしましたね。
早瀬:自分が小中学生だった頃の50歳と今の50歳は見た目も体力も違いますからね。老けて見える人もいるけど40代半ばくらいにしか見えない人も多いもの。それほど年齢を感じないのでは。
望月:幼稚になったということですか?
菅原:それはあると思うよ。今の32、3歳が昔の25歳ぐらいの感じに思うことがある。わたしだけかもしれないけど。
安田:わたしは更年期障害のとば口だったので体調不良、イライラを交互に繰り返しでブルーな日が続いていました。
田淵:まさに妻が今そういう状態です。あれはかなり辛いみたいですね。
安田:奥さんにどう接するかで10年後、20年後の夫婦関係に影響するから気をつけないと駄目ですよ。
早瀬:わたしの母親がそうですよ。50代半ば頃に交通事故で大ケガを負ったのですが、今でもお父さんは仕事、仕事でほとんど何もしてくれなかった。入院中もリハビリ病院に通っていたときも手助けしてくれたり家事を代わってくれたとか一切なかったと怒っている。かなり恨んでいるみたいなんですよ。
安田:奥さんを怒らせると後の意趣返しが怖いのよ。
男性陣一同苦笑い。
“中身”はさほど変わらないのに、体力は確実に落ちている
菅原:生活や考え方はさほど変わっていないけど体力は確実に落ちてきていますね。40代は土日に付き合いゴルフだとか会社のレクリエーションでソフトボール、ボウリングだとかをやっていたけど今は誘われてもお断りしている。土日はゆっくり休みたい。
望月:ちょっと深酒すると翌日の昼頃まで残っちゃう。風邪をひいたら1週間もクシュクシュしている。
菅原:何もない真っ平な道で躓いて転びそうになったときは、「じじいになったなあ」とショックだったよ。
田淵:肉体労働しているわけじゃないのに腕、腰が痛くなる。50歳になって半年で本当に五十肩になった。今も痛み止めを飲んでいるけどすっきり治らない。
安田:夫は55歳なのですが50歳になった途端に大腸ポリープ、52歳のときは尿路結石、54歳のときは帯状疱疹になって2週間も入院しました。去年から血圧が高くなってきているし、椎間板ヘルニアになって手術するかどうか迷っています。
早瀬:ずっと健康だった人でも何かあったらそれが引き金になってあちこち悪くなるよね。
望月:わたしは根がケチなので医療費は使いたくない。健康には細心の注意をしている。
増田 明利
ルポライター