年齢があがるとともに他人から褒めてもらえる回数も減り、寂しさを感じるだけでなく仕事に対するモチベーションが下がっていることを実感しませんか。大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)では、心身の健康を守るための方法を詳しく解説しています。本記事では一部を抜粋・再編集し紹介します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
「仕事をしないおじさん」と揶揄され、誰も褒めてくれない…無気力なシニアが実践すべき<人生のモチベーションを維持する方法>
自分へのご褒美を象徴する居場所を持つ
50代も中盤ともなると、誰も褒めてくれないというのは、言われてみれば確かにそうで、自己満足では自己愛を満たすことができず、何も対処しなければモチベーションは低下していくばかりです。
よくパフォーマンスの落ちたシニアとか、「仕事をしないおじさん」と揶揄されてしまうのは、そのあたりが遠因になっているのかもしれません。
組織の中で誰からも褒められず、評価もされなければ、無力感を学習してしまい、モチベーションもパフォーマンスも逓減してしまうのは理に適っています。
ならば、自分へのご褒美を象徴する居場所を持つというのは、賢い方略です。
1つだけの「ペルソナ」に縛られると、心を病む
55歳になったら会社と自宅を含めて構いませんが、自身の心身の鮮度を保つために、いや、鮮度を高めるために「自分の居場所」を5つ以上持つことを提唱します。
以前、「ホンマでっか!?TV」でブレイクした心理学者の植木理恵さんと対談した時に、「心の健康を保つためにも、1人の人間が5つくらいのペルソナを持つことが大切」と教わりました。
念のため、キャラクターのことを心理学では「ペルソナ」と呼びますが、ある調査によれば、心の健康を損ないやすい職業の1位は教師で、2位が専業主婦、3位が宗教家という、1つだけのペルソナに縛しばられやすい環境や環境の人だったそうです。
逆に、社内では「切れ者技術者」であっても、家庭では「子どもに優しいお父さん」だったり、「釣りに没頭する趣味人」だったり、それに取り組んでいる時は集中して他の何者でもなくなっているというような時間をつくるということが、心を健全にしておくには大切なのだそうです。