近年では、50、60代で起業する人が増加傾向にあります。60歳以降、それまで勤めていた企業の再雇用制度を使って年収300~400万円台の会社員を続けるか?思い切って起業してみるか?大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)ではセカンドキャリアの選択肢のメリット、デメリットについて詳しく解説しています。本記事では一部を抜粋・再編集し解説します。
本格起業か、マイクロ起業か
起業を考える場合、こちらも業種によるところが大なのですが、本格起業と1人で起業するマイクロ起業という選択肢があります。
前者はリスク大、後者はリスク小というのが一番の違いですが、前者の場合は株式公開や事業売却による莫大な創業者利益を得る可能性もあります。
私自身はマイクロ起業信奉者でしたので、リクルート退職後、その道をずっと疑いなく歩んできました。しかし、事業売却で数億円のキャピタルゲインを得たり、リクルート上場によってかつての先輩、同僚たちが億万長者になったりしたのを目の当たりにすると、そうした選択肢も持っておくほうがいいと正直思っています。
税額の比較も判断材料の1つに
現実的なところでは、年収5,000万円を10年つづける5億円と、上場などによるキャピタルゲイン5億円とでは、税額が全く違うのです。日本の税制では後者のほうが、残るお金が断然多いのです。ちなみに後者の税率は、20%ちょっとに過ぎませんから。
大塚 寿
エマメイコーポレーション代表取締役