近年では、50、60代で起業する人が増加傾向にあります。60歳以降、それまで勤めていた企業の再雇用制度を使って年収300~400万円台の会社員を続けるか?思い切って起業してみるか?大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)ではセカンドキャリアの選択肢のメリット、デメリットについて詳しく解説しています。本記事では一部を抜粋・再編集し解説します。
起業は「何をやるか」「どのようにやるか」が肝心
一方、起業のメリットとしては、誰からの指示、命令も受けずに、自身の好きなことをやり、好きなだけ稼げる点です。1人起業でサラリーマン時代の2倍、3倍以上の収入を得る人もいますし、必要経費が認められていますので、税金の面でもサラリーマンよりはるかに融通が利くでしょう。
もちろん、デメリットもあります。最大の問題は「リスク」に違いありません。自身の目論見通りに事が運ばず、売上が立たずに経費ばかりが垂れ流しになる事態です。
自営業に限定した話ですが、独立行政法人労働政策研究.研修機構の2019年の調査によれば、55歳以降に自営業に就いた人の割合は約232万人の母数の13.5%に及ぶそうです。
よく起業成功率、失敗率の統計も発表になりますが、こちらは時期や業種によって余りに差があるので、例えば、全平均の「3年以内の失敗率が50.3%」、つまり半数は失敗するという数字にほとんど意味はないと思います。
そんな平均的なデータより、55歳からの起業、60歳からの起業の場合は「何をやるか」「どのようにやるか」「うまくいかない時の胆力」の3大要素が成否を分けるのではないでしょうか。「何をやるか」「どのようにやるか」が肝心です。
迷ったら会社員を続行。やりたいことがあるなら起業
迷ったら会社員を続ければいいし、やりたいことがあるなら起業すればいいくらいに考えておくのもいいかもしれません。安定といっても、再雇用の低収入に耐えられるかというところも大きいのですが、副業、兼業可能なら収入への不満は解消されるでしょうし。