雇用主に安く買い叩かれる状況から逃れるためのリスキリング(学び直し)は、55歳からでも十分間に合います。また、5年あればいろいろなことが習得できるため、安心して定年を迎えることができるかもしれません。大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)では、55歳から始めるリスキリングについて詳しく解説しています。本連載では一部を抜粋・再編集し紹介します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
60歳、年収は新卒初任給、仕事量は変わらず…定年退職→再雇用の先に待ち受ける現実。「やりがい搾取」されないために、やるべきこと
会社に足元を見られ、安く買い叩かれないために
定年延長といっても、多くは60歳で定年、65歳まで再雇用というパターンが最も多いのではないでしょうか。70歳までの就業機会の確保が努力義務となりましたが、こちらも再雇用が前提で、50代の年収のまま70歳まで雇用されるわけではありません。
60歳でいったん定年退職し、新入社員並みもしくはそれ以下に引き下げられた年収や時給1200円程度での再雇用を、65歳からさらに70歳まで確保する努力義務というわけです。雇用確保という意味では、もちろん悪い制度ではありませんが、問題は年収です。
年収は半分以下に下がるも仕事量は変わらず…なんてことも
60歳となり制度上は定年退職し、再雇用として65歳まで同じ職場で働けるものの、立場としては「嘱託」で非正規雇用、年収は半減どころか新入社員並みになったにもかかわらず、仕事の量は60歳前とほとんど同じという人も少なくないのです。
大きな声では言えませんが、「やりがい搾取」と言われても仕方ないような……。「やりがい搾取」というより、むしろ「足元を見た有利な雇用契約」と言ったほうがいいかもしれません。安く買い叩かれているというわけです。
ですので、会社に足元を見られない、有利な条件で再雇用契約をせざるを得ない状況をつくり出すか、再雇用を断って自力で再就職できるだけのスキル武装をしておくことを強くオススメしたいのです。