父(母)が亡くなり、実家では母(父)がひとり暮らし……子どもとしては心配でたまらないでしょう。そんな子どもに対して親は「大丈夫」というもの。また「本当に大丈夫」かは子どもにはわからない、というのもお決まりのパターンのようです。
年金月20万円・75歳母の「大丈夫」を信じた48歳のひとり息子だったが…ある夜の緊急電話に仰天、駆けつけた病院でみた「母の変貌ぶり」に衝撃 (※写真はイメージです/PIXTA)

実家でひとり暮らしの母を心配し過ぎるひとり息子

松本健一さん(仮名・48歳)。3年前からがんで闘病を続けてきました78歳の父親が逝去しました。葬儀は本人の意向で身内だけのこぢんまりとしたものでしたが、しっかりと送ることができたといいます。ただ心配なのは、ひとり残された母・順子(仮名・75歳)さんのこと。東京で暮らす健一さん。実家には飛行機を使い、片道6時間以上かかります。そこで高齢の母がひとり暮らし……不安だけが募ります。

 

健一さんの家族にも相談のうえ、同居を提案しましたが、「東京なんかで暮らせない」と拒否。健一さんには他に兄弟はいないので、どうすることもできません。高齢ですから健康のことが一番心配ですが、昨今は物騒な事件も多いですから、防犯のことも気がかりです。

 

法務省『令和5年版犯罪白書』によると、高齢者が被害者となる犯罪件数は、全体の刑法犯認知件数が減少するなかで、特に高齢者の被害割合は増加傾向にあります。2019年には、高齢者の被害件数は約9万2,000件で、全体の12.3%。たとえば窃盗被害に関しては被害者の56.3%、また詐欺事件は被害者の19.0%を高齢者が占めています。特に特殊詐欺の被害者に占める高齢者の割合は83.7%に達しており、70歳以上の女性が多く被害に遭っています

 

――大丈夫。ホームセキュリティだっけ!? 家にはあれをいれているし。鍵もきちんとかけてるし。詐欺にも気を付けてるよ

 

心配ご無用といった返事。それでも不安なので、見守り家電をいくつか購入し、実家に設置し(葬儀から)帰ってきたといいます。まだまだ心配はつきません。健一さんの家でも昨今の物価高にはうんざりしているところ。まして年金で暮らす高齢者の暮らしは、厳しいものがあります。

 

――大丈夫。お父さんの遺族年金もあるし。年金、20万円にもなるんだよ

 

確かに月18万円の年金があれば、高齢者のひとり暮らし(家は持ち家)、経済的な問題はないでしょうか。「何かあったら、遠慮なくいいなよ」というと、「心配し過ぎなんだよ、健一は」と、これまた心配ご無用といった感じだったといいます。

 

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