高齢者雇用の拡大がトレンドであるものの、「定年は60歳」という会社が大多数。さらに60歳定年企業に勤める定年サラリーマンの9割弱が再雇用などでそのまま会社で働くことを選択しています。そこでは、多かれ少なかれ「世代間の衝突」が起きているようです。
うまくやれていると勘違いしていました…「月収35万円」60歳再雇用サラリーマン、若手社員「ありがとうございます。さすがですね」に隠された本音に唖然 (※写真はイメージです/PIXTA)

再雇用後の給与「定年前の4割」でも感謝

大手メーカーに勤務する田中誠さん(仮名・60歳)。60歳で定年となったあと、再雇用制度により契約社員になりました。

 

――現在の月収は35万円、年収で500万円ほどです

 

再雇用後、管理職から契約社員になったことで、給与は大幅に減少。定年前に受け取っていた給与の40%程度になってしまったといいます。

 

――給与が大幅に下がることはわかっていたことですが、目の当たりにすると結構な衝撃ですね(笑)30歳くらいのときの給与ですから

 

給与は大幅減ながら、定年後に働くことを選択したのは、年金を受け取れるようになるまでの5年間、ほぼ無収入になることに不安を感じたから。それでも安定した収入を得ることができ、さらに慣れ親しんだ環境で仕事を続けられることに感謝しているといいます。

 

――この年になってから新しい環境で働くのは結構キツイですよね。私の場合、再雇用後に異動はなく、同じ部署に配属されました。立場は変わりましたが、環境が変わることに対するストレスがないのはラッキーでした

 

再雇用後は、定年までいた部署で管理的業務にあたるようになった田中さん。仕事内容は変わったものの、顔なじみの多い環境で働けることは安心材料である一方で、不安材料でもあったといいます。かつての上司としての威厳は薄れ、現役社員たちとの関係は微妙な空気だったと振り返ります。

 

――やはり立場的に微妙ですよね。それまで上司だった人間が、契約社員として同じフロアにいるわけですから

 

そのような空気を恐れていては現役社員もやりにくいだろうと考え、これまで以上に積極的にコミュニケーションを図ろうと努めていたという田中さん。その甲斐もあってか、微妙な空気は次第に薄れていったといいます。何よりも40年近い経験を有する田中さんの知見を駆使して、さりげなくフォローすることもしばしば。若手社員から「ありがとうございます。さすが、田中さん」と感謝されることもしばしば。

 

――そんな言葉を聞いて、素直に喜んでいました

 

若手社員たちの言葉の裏に田中さんに対する複雑な感情が隠されていることに気づいていなかったと振り返ります。

 

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