「簡単に稼げる手軽な副業」…その実態とは

健太さんは指導に従って早速記事を作成しSNSに投稿。しかし、売り上げを上げることができても微々たる金額で、しかも、そのわずかな売上金も一切受け取ることもできませんでした。

これは何かがおかしい。そう思って業者にクーリングオフを申し出ましたが、商用契約であることを理由に断られてしまいました。

大切な貯金を失い精神的に追い詰められた健太さんは、さらなる罠に陥ってしまいます。

「FX初心者でも、スマホ1つで年収1~2億円は簡単。マル秘の数式に基づいてトレードを自動的に行えるツールを使えば、だれでも勝率99%」というSNS上の広告に飛びつき、起死回生を狙ったのです。

しかし、FXトレードシステムの購入契約をするためのお金は、自分にはありません。そこで、健太さんは父親に無断で預金口座から500万円を引き出し、支払ってしまったのです。会員サイトへのログインや質問方法がわからず電話で問い合わせましたが、会員サイトでの質問を強要されるばかり。

結局、ツールのダウンロードもサポートも受けられないまま、業者は法人を解散し清算手続きを完了。一銭も返金されることはありませんでした。

健太さんは、ようやく自分が立て続けに詐欺に遭ってしまったことを自覚しました。そんななか、父親である雨宮さんも老後のための貯金が500万円も減っていることに気づき、妻と大騒ぎに。

健太さんは重い口を開き、詐欺に遭ってしまったことを2人に告白しました。

しかし、時すでに遅しでした。