肉親が亡くなると、葬儀や相続など数々の対応を迫られることがあります。そのような場合、事前知識や故人による生前準備が不足していると、思わず「こんなはずじゃなかった」という事態になりかねません。離れて住む親子の事例をもとに詳しくみていきましょう。牧野FP事務所の牧野寿和が解説します。※プライバシー保護のため登場人物等の情報を一部変更しています。
月収14万円・市営住宅暮らしの49歳シングルマザー〈年金6万円・貯金ナシ〉の父急逝で〈家族葬〉を決断…“娘のための定期預金”を解約も「後悔はしていません」と笑顔のワケ【CFPが解説】
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父が急逝…「葬式の仕方がわからない」とパニックになるAさん
パート勤めのAさん(49歳)は、昼休みに入り携帯を確認したところ、知らない番号から何度も不在着信が入っていることに気づきました。
「なにこれ、気持ち悪い……」
不審に思ったAさんは電話番号を確認したところ、相手はなんと警察。嫌な予感がして電話をかけなおしたところ、その内容に思わず絶句しました。
「Bさま(父親)が路上で倒れ、病院に搬送されました」
聞くと、路上で倒れていた父親を通行人が発見し、救急車で運ばれたといいます。警察が身元を確認した際、手帳に緊急連絡先としてAさんの名前と電話番号が書かれていたとのこと。
電話を切るなり病院に飛んで行ったAさんでしたが、時すでに遅し。同じタイミングで駆けつけた叔母(Bさんの妹)と、しばらくそこに立ち尽くすしかありませんでした。
呆然とするAさんだったが…
あまりに突然のできごとに呆然とするAさん。叔母は、そんなAさんに優しく寄り添ってくれました。
「まずは檀家寺に亡くなった報告をして。それから、葬儀社に葬儀のお願いをするの」
そして、「あそこの住職は私と同級生だから」と言って、すぐに電話をかけてくれました。
電話の途中、叔母から「葬儀社や斎場はどこにする?」と聞かれましたが、Aさんには見当もつきません。Aさんの表情から察した様子の叔母は「OK。住職にお任せするわね」と言い、Aさんは素直に頷きました。
それから、医師から詳しい死因を聞き、警察からも事件性はない旨の連絡がありました。
自宅で亡き父を安置したあと、葬儀会社の担当者と葬儀の打ち合わせを行いました。担当者は、手際よく話を進めていきます。あっという間に葬儀の段取りが決まっていきました。
市営住宅に暮らし、パートで月収14万円。生活するのがやっとというAさんは、葬儀にお金をかけられません。葬儀の方法について聞かれたAさんは、以前なにかでみた「葬儀特集」を思い出し、葬儀費用がお値打ちだといわれていた「家族葬」を希望しました。
Aさんの提案に、担当者も了承。実家近くの「家族葬専用ホール」で、お通夜から初七日の法要まで行うことにしました。
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