時代とともに、高齢者施設も「多様化」が進んでいます。費用もサービス内容もさまざまで、「自分たちだけではわからない!」と悩んでいる人も多いはず。そこで、介護ジャーナリストの太田差惠子氏と芸人の安藤なつ氏による共著『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より、高齢者施設選びのポイントと注意点をみていきましょう。
老人ホーム入居→「こんなはずじゃなかった!」を回避したいなら…〈お金〉よりも〈サービス〉よりも優先すべき“たったひとつ”の条件【安藤なつが介護ジャーナリストに聞く】
「ググって最初に出てきた業者」には要注意
CHECK!
□まずはインターネットで情報収集
□紹介業者はメリットとデメリットを理解して活用
安藤:今どき情報を探すなら、まずインターネットですね。
太田:検索エンジンで上位に表示されるページの多くは民間の紹介業者のサイト。場所や費用などの条件を入力すると、候補となる施設を一覧にしてくれる機能などがあるので便利だと思う人も多いようです。
安藤:施設探しの、サポートなどもしてくれるんですよね。
太田:はい。施設探しの相談をしたり、見学の手配をしてくれます。通常、依頼しても費用がかかることはありません。
安藤:それって、すごくいいじゃないですか。使わない手はありませんね。
太田:ちょっと待って! 業者はボランティアではありません。相談者に費用は請求しませんが、その代わりに契約が決まると施設から成功報酬を受け取る仕組みのところが多いです。そこを認識して利用してください。
安藤:それって、手数料が高い施設を積極的にすすめてるってことですか?
太田:そうですね。そういうことがないとは言い切れません。
安藤:え~、そうなんですか。高齢者施設に詳しいと思って、全面的に信頼してしまいそうでした。
太田:不動産業者と違い、資格も免許も必要ありませんから、業者はもちろん相談員も千差万別と考えたほうがいいでしょう。
介護について困ったら、まずは「地域包括支援センター」へ
安藤:紹介業者に当たる以外に情報を集める方法ってあるんですか?
太田:介護について困ったことがあったら、まず地域包括支援センターへ行ってみてください。自治体によっては施設のパンフレットなどを作成しているところもありますし、民間の業者では紹介してくれない公的施設(特別養護老人ホームなど)の情報も聞くことができます。
安藤:なるほど! 民間の紹介業者は公的施設を教えてくれないんですね。
太田:近所の人や、地元に住み続けている昔の同級生といった知人の口コミも情報源としては重要です。身近な家族や親族が施設に入居している人に話を聞くと、きっと参考になることがあるはずです。