堅実・質素に暮らしてきたにも関わらず、老後資金がほとんど貯まらなかったAさん家族。それは、息子が「あること」に依存してしまったことが原因でした。本記事では、近年、深刻な社会問題にもなっている依存症の問題と老後資金・教育資金の考え方について、ファイナンシャルプランナーの内田優帆氏が解説します。
贅沢もせず堅実に生きてきた59歳・年収600万円の会社員、定年間際の貯蓄300万円で「崖っぷち老後生活」へ。元凶は一人息子がやめられない「怖い遊び」
早めの資金計画と子どもの自立を促すコミュニケーションが重要
「子どもの教育資金がかさむ一方で、老後資金の確保ができない」という状況は、高齢で子どもを持つ家庭にとって決してめずらしいことではありません。そのために必要な対策は、下記のようなものになります。
ライフプランを作って早めの資金計画を
教育資金と老後資金を両立させるには、早い段階でのライフプラン作りが重要です。どの時期にどれくらいの収支があるかを把握することで、日々の支出の見直すきっかけになったり、資産運用で老後資金を準備していく、など事前に備えを始めることができます。
ローンや奨学金の活用
教育資金が家計を圧迫する場合には、ローンや奨学金の活用も一つの選択肢です。これらを利用することで、教育資金を親だけが負担する必要がなくなり、子ども自身も「自分の将来のために借りている」と当事者意識を持つことができます。
子どもの自立を促す親子のコミュニケーション
将来的に親自身が経済的に困窮してしまえば、子どもにもその影響が及びます。そのため、日頃から親子でコミュニケーションを取り、金銭感覚や家計管理の重要性を教えることが大切です。「進学に必要な費用を一緒に計算する」「奨学金の利用について親子で相談する」「クレジットカード利用について話し合う」といったコミュニケーションは、子どもの自立を促すことにも繋がります。
特にクレジットカードは使った感覚が薄く、ついつい使いすぎてしまう傾向にあります。利用限度額を設ける、利用するにあたっての注意点を伝える、社会人になってから自分でクレジットカードを作らせるなど安易に渡さないようにしましょう。