2024年10月7日の生理学・医学賞を手始めに、今年もノーベル賞が発表されました。今年は、特にAI関連の受賞が目立っています。これらの結果に、研究業界の人々は衝撃を受けました。ノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベルの存命時(1833年〜1896年)には、コンピューター化学という学問自体が存在しなかったため、ノーベル賞に「コンピューター化学賞」や「情報科学賞」といった類いの賞は現状ありません。受賞対象分野にすらなっていないコンピューター化学の手法におけるAIの機械学習が、ノーベル物理学賞と化学賞を獲ったのは異例のことなのです。今回の授与が示唆するものとは? 今年のAI関連の受賞内容を振り返ってみましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
21世紀の科学を暗示?
AIは今後も発展し続け、画像診断技術の精度向上により疾患検出が容易になったり、自動運転や翻訳サービスが高度化したりするなど、私たちの生活にもさまざまな恩恵をもたらすでしょう。第4次AIブームといわれる現在、ますます人間の役割がAIに代替されていき、各分野の研究が飛躍することは確実です。2027年に生成系AIの市場規模も1,200億ドルにのぼるという試算もあります。
12月10日の授賞式では受賞者たちから一体なにが語られるのか、注目したいところです。
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<プロフィール>
有馬美穂
ライター。2004年早稲田大学卒業。『VERY』をはじめ、さまざまな雑誌媒体等で主にライフスタイル、女性の健康、教育、ジェンダー、ファッションについての取材執筆を行う。