東京23区のなかでも千代田区、中央区、港区を「都心3区」と呼びます。この記事では、不動産投資の面から都心3区の特徴について解説します。都心3区に投資する前に押さえておきたいポイントが理解できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。

 

都心3区とは

都心3区とは、東京23区を都心と周辺地域に分けたときに使われる区分で、以下3つの区で構成されています。

 

<都心3区>

・千代田区

・中央区

・港区

 

また、都心3区に周辺の区を加えて「都心5区」「都心6区」と呼ぶ場合があります。

<都心5区>

・千代田区

・中央区

・港区

・渋谷区

・新宿区

 

<都心6区>

都心5区+文京区

 

都心3区には政府機関や大手企業の本社、高級住宅街が点在しています。高度な都市機能が整っており、東京23区のなかでも利便性が高いエリアです。東京都が発表した人口予測の資料によると、都心3区の常住人口は2020年では約51万人だったのが、2040年には約63万人まで増加するとされ、今後も発展が見込めるエリアといえるでしょう。

 

参考:東京都昼間人口の予測「予測結果の概要」|東京都の統計

 

また、都心3区、5区、6区とは別に、皇居を中心とした東西南北のエリアをそれぞれ城北・城南・城西・城東と区分することもあります。

 

皇居のある千代田区を除き、その他の22区は以下のように区分されます。

 

・城北:文京区、豊島区、板橋区、北区、荒川区、足立区

・城南:港区、品川区、目黒区、大田区

・城西:渋谷区、新宿区、世田谷区、中野区、杉並区、練馬区

・城東:中央区、江東区、台東区、墨田区、葛飾区、江戸川区

 

 

都心3区の特長

都心3区には経済や政治、文化の中心地が集まっています。ここからは区ごとにそれぞれの特長を解説します。

 

千代田区の特長

千代田区は23区のなかでも比較的面積の小さな区です。国会議事堂(永田町)、官庁街(霞が関)のほか、国内有数のビジネス街(丸の内)を擁し、日本の政治経済の中心といえます。

 

人口は1995年以降増加傾向にあり、2020年の国勢調査では約6万6,000人でした。

 

かつては地価の高騰によって減少し続けていた夜間人口が、2001年に45年ぶりに増加に転じて以降その傾向は継続中で、都心回帰の流れが見られます。

 

また、生産年齢人口(15~64歳)の占める割合は70.1%で、東京23区の平均(65.7%)に比べると多くなっています。

 

千代田区では子育て支援策として「こども・高校生等医療費助成制度」を設けています。同制度を利用すると、18歳までの子どもが医療機関で治療を受けた際、保険診療の自己負担分に対して助成金の受け取りが可能です。

 

参考:

千代田区人口ビジョン(令和3年度)|千代田区

千代田区のプロフィール|千代田区

区の位置・面積・人口|千代田区

こども・高校生等医療費助成制度(乳幼児~高校生等)|千代田区

 

中央区の特長

中央区は23区のほぼ中央に位置し、銀座・築地・日本橋など日本を代表する商業地を有します。

 

人口は1998年以降増加傾向です。中央区が発表した資料によると、2023年現在約17万人から、2028年に20万人に、2033年には22万人程度まで増加すると見込まれています。

 

東京駅までのアクセスが良く、銀座エリアの周辺にある新橋駅や有楽町駅からはJRでいずれも5分以内です。ビジネスマンからの需要はもちろん、2歳から小学校6年生までの子どもを午後10時まで一時的に預けられる「トワイライトステイ」など子育て支援に力を入れていることから、ファミリー層のニーズも期待できます。

 

臨海部はタワーマンションが多く建設されており、開発が続いているエリアです。また、東京都は東京駅から東京ビッグサイトまでを結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄」(仮称)の新設を検討しており、実現すれば勝ちどきや晴海エリアに新しい駅が建設される可能性があります。

 

参考:

中央区公共施設等総合管理方針2022(第3章 中央区の概況)|中央区

中央区将来人口の見通しについて 令和5(2023)年1月推計|中央区

子育て支援|中央区

 

港区の特長

港区はテレビ局や広告代理店など情報通信系の企業が多く、トレンド性の高い地域です。大きく分けて5つのエリアから成り、それぞれ特色が異なります。

 

・芝地区(ビジネス街)

・麻布地区(住宅街・最新スポット)

・赤坂地区(繁華街)

・高輪地区(住宅街・歴史的建造物)

・芝浦・江南地区(流通拠点・観光スポット)

 

高輪地区には、歴史のある高級住宅地があります。なかでも、白金エリアの家賃相場はワンルームで13万円前後となっていて、全国的にも高級住宅街といえるでしょう。

 

港区の統計によると、2020年の人口は外国人を含み約26万人です。2026年には約28万5,000人になると見込まれています。

 

都内でも非常に利便性の高いエリアとして知られ、区内にはJRや私鉄、多くの地下鉄が走っています。2020年にJR山手線の「高輪ゲートウェイ駅」が利用開始されたことで、港区の利便性はさらに向上しました。どの方面にもアクセスが良いため、単身者からファミリー層まで人気のある地域でしょう。

 

また、港区には約80の大使館があり、外国人のビジネスマンが多く働いています。外国人の居住数は2万人前後で推移しており、総人口の約8%を占めています。

 

参考:

港区の人口動態|港区

統計で見る港区6 「82」|港区

国籍別外国人住民数|港区

 

 

都心3区で不動産投資をするメリット

都心3区での不動産投資には、以下3つのメリットがあります。

 

・不動産の価値が下がりにくい

・空室リスクが少ない

・高い家賃収入が得られる

 

物件が都心に位置するメリットが豊富にあるエリアです。それぞれ順番に見ていきましょう。

 

不動産の価値が下がりにくい

都心3区はバスの停留所や駅が物件の徒歩圏内に位置する場合が多く、23区のなかでも利便性が高いエリアです。そのため物件が古くなっても需要があり、価値が下がりにくいことがメリットとして挙げられます。

 

さらに生産年齢人口の増加率が高い傾向にあることや、「バスターミナル東京八重洲」、「麻布台ヒルズ」など大規模施設の開業が進み、利便性の向上に伴う賃貸需要の増加が期待できるでしょう。

 

空室リスクが少ない

不動産投資するうえで、大きな懸念材料の一つが空室リスクです。入居者が決まらずに空室が発生すると、資金の持ち出しが発生する場合があります。例えば、2ヵ月間の空室が生じたとすると、不動産投資ローンを利用している場合2回分の支払いを賃貸収入なしで工面しなければなりません。空室期間が長くなるにつれて返済回数が多くなるため、不動産投資する際は一定の自己資金を用意しておくことが重要です。

 

都心3区は利便性が高いため入居需要が高く、空室リスクの軽減が期待できます。需要の高いエリアに投資することで、安定した経営につながるでしょう。

 

高い家賃収入が得られる

都心3区は、23区内でもトップクラスで家賃相場が高いエリアです。それにも関わらず、居住へのニーズが根強いエリアのため、家賃を高く設定できます。

 

また、価値が下がりにくい特長もあることから、年数が経過しても高い家賃収入を期待できるでしょう。例えば、都心3区とほかの区を比較すると、築年数による家賃の変化は以下のとおりです。

 

区の名称 築0〜5年の家賃相場 築20〜30年の家賃相場

千代田区 13.52万円 11.69万円

中央区 13.25万円 10.91万円

港区 14.76万円 12.62万円

練馬区 8.26万円 7.20万円

※間取りはワンルーム・1K・1DK

 

高い家賃収入を得られると、収益の増加が期待できます。安定して高い収益を出し続けられれば、経営の安定化が見込めるでしょう。

 

 

都心3区で不動産投資をするデメリット

都心3区には投資するメリットが多い一方で、以下のようなデメリットも存在します。

 

・価格が高い

・投資効率がそれほど良くない

 

それぞれ順番に解説します。

 

物件価格が高い

都心3区は東京のなかでも地価が高い地域のため、物件の購入に多くの費用がかかります。また物件価格が高額になると、不動産業者に支払う仲介手数料や不動産取得税など初期費用が高くなりがちです。高額物件の購入に不動産投資ローンを利用すると毎月の返済額が高くなるため、空室リスクなどを考慮した余裕のある支払い計画の立案が必要となるでしょう。

 

投資効率がそれほど良くない

周辺地域よりも坪単価が2倍だからといって、家賃を2倍にはできません。都心3区は物件の取得費用が高額のため、高い家賃を得たとしても投資効率が大きく上がらない可能性があります。しかし、都心3区は空室リスクが低く、安定した経営が期待できるエリアです。そのため、都心3区で不動産投資をする際は、ほかの地域と比べて長期的な経営戦略を立てる必要があります。

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都心3区の不動産は価値が下がりにくいなどのメリットがあるものの、購入には多額の初期費用がかかる点はデメリットといえます。しかし「COZUCHI」であれば、様々な物件の取り扱いがあり、少額から都心3区の物件にも投資可能です。

 

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まとめ

都心3区とは東京23区のうち、千代田区、中央区、港区を指します。いずれの区も利便性が非常に高く、単身者からファミリー層まで賃貸の需要が期待できるエリアです。開発プロジェクトが順次進んでおり、今後の発展も見込めるでしょう。

 

不動産投資の面から見ると、物件の価値が下がりにくい点や高い家賃が受け取れる点が都心3区にある物件のメリットです。一方で、購入にかかる初期費用の高さや投資効率の低さはデメリットといえます。不動産投資の方針を明確にして、自分に合った物件を選ぶことが重要です。

 

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【監修者】

名前:金子 賢司

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。

保有資格:CFP

 

※本記事は「COZUCHI magazine」で、2024年04月10日に公開された記事の転載です。