「こんなはずじゃなかった..」と、退職金の運用で後悔する人は少なくありません。今回ご紹介するのは、銀行員に勧められるまま退職金の半分を使って外貨建て保険に加入した、田中栄太郎さん(仮名)の事例。人生100年時代に備えて資産形成をしたいと思った田中さんに、いったい何が起きたのでしょうか。シニア世代の資産運用の落とし穴とそれを避ける方法を、大手銀行に長年勤務した経験を持つFPの青山創星氏が詳しく説明します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
後悔しかありません…退職金1,000万円で銀行員に勧められるがまま「外貨建て保険」を契約した65歳・元会社員の悲惨な末路【FPの助言】
外貨建て保険の注意点と退職金運用のポイント
このように、相手が銀行員だからとお勧めされるがままに保険の契約をしてしまうと、大きな落とし穴にハマってしまう場合があります。
大切なのは、仕組みを理解できないものに大金を投じないこと。商品の仕組みをしっかり理解して、保険は本来の役割である予測不可能な事故や損害を補償するものに限定して使うということ。また、投資には、保険よりも投資信託やETF、国債などの中から透明性が高く、手数料の安い商品を選ぶことをお勧めします。
また、今回の田中さんのケースの場合、慌てて解約せずに待つことができれば100万円も損をすることはなかったでしょう。あのとき銀行員が田中さんに「今解約すると大幅にマイナスになるので、解約はお勧めできません」と言ったことは嘘ではないので、銀行員を信用できなくてもFPなどお金のプロに相談すれば、資産減を避けられたかもしれません。