近年よく耳にする「ヘルステック」。「ヘルス(Health)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語で、健康管理にテクノロジーを活用する取り組みです。ウェアラブル端末による健康管理をはじめ、オンライン医療や介護ロボットなど、ヘルステックのサービスは増えつつあります。なかでも、健康管理をサポートしてくれるヘルスケアアプリを活用している人も多いのでは? 数年前から活用が広がっている生理管理アプリをはじめ、更年期向けやがん患者向け、子供向け、ペット向けまで、年代や健康状態などに応じたアプリが続々と登場しています。そこで今回は、最新ヘルスケアアプリをご紹介します。
ホルモンバランス、更年期ケア、がん患者サポート、ペットの体調管理…より細やかにユーザーの体調をケアできる、最新ヘルスケアアプリ

スマートウォッチとの連動も…人気の気象病対策アプリでペットの体調管理も可能に

気象病対策アプリ「頭痛ーる」(ベルシステム24提供)
気象病対策アプリ「頭痛ーる」(ベルシステム24提供)
 

頭痛やめまい、疲労感など、気圧の変化による不調は、気象病と呼ばれています。ベルシステム24が運営する「頭痛ーる」は、気象予報士のアイデアから生まれた気象病対策アプリ。気象庁から提供された気圧予報と、約120万件のユーザーの体調データを組み合わせ、不調が起こりやすい時間を予報します。

 

2013年にリリース後、累計1,700万ダウンロードを達成している人気の頭痛ーる。2024年6月には、有料プレミアムプランの利用者を対象に、スマートウォッチ「Fitbit」で取得した睡眠と心拍のデータを、アプリ上で確認できる新機能を追加。より精度の高い体調管理をサポートします。

 

気象病対策アプリ「頭痛ーる」(ベルシステム24提供)
気象病対策アプリ「頭痛ーる」(ベルシステム24提供)
 

また、2024年7月には、ペット向けの新機能として「おさんぽ注意指数」「熱中症指数」などを搭載。人間だけでなく、ペットの健康管理も可能になりました。

 

同時に、新料金プラン「ファミリーケアプラン」もスタート。一つのアプリ内で、最大4アカウントの記録ができるので、パートナーや子供、ペットなど、家族の体調管理にも役立ちそうです。

スマホのカメラ機能で心身の状態を可視化、がん患者のQOL向上にも

がん患者サポートアプリ「ハカルテ」(DUMSCO提供)
がん患者サポートアプリ「ハカルテ」(DUMSCO提供)

今や、日本人の2人に1人ががんになる時代。(※)2024年7月にリリースされた「ハカルテ」は、DUMSCOが運営するがん患者サポートサプリです。京都大学医学部付属病院と共同開発した臨床研究用のアプリを、一般ユーザー向けに改修。体調がすぐれないときでも、スマートフォンによる簡単な操作で、日々の症状や体調を測定・記録できます。

 

がん患者が自分の状態を知ることで、より主体的に治療やケアを受けられるようサポートしてくれるハカルテ。スマートフォンのカメラで心拍変動を測定すると、心身の状態を可視化してくれる機能も搭載されています。がん患者が抱える日々の不安を取り除くことで、治療生活におけるQOL(生活の質)向上も期待できます。

 

また、記録した内容をもとにしたグラフを自動作成。体調やライフログを一目で振り返ることができるので、医療者への相談の際に役立ちます。今後は、医療者への相談の仕方や受診のアドバイス、医療者に気軽に相談できるチャット機能を、追加でリリース予定。医療者とのスムーズなコミュニケーションや、治療生活における困りごとの解決につながりそうです。

ヘルスケアアプリの活用で、ヘルスリテラシーを高めて健康寿命を意識

「人生100年時代」と言われ、健康寿命への関心が高まっています。自分の健康を細やかに知ることができるへルスケアアプリは、健康を維持するための予防医療に役立つほか、ヘルスリテラシーを高めることにもつながりそうです。自分の体調やライフスタイルに合ったアプリをぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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<著者>

文/渡邊晃子

フリーライター。1983年生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て、2010年からフリーランスのライターとして活動。WEB媒体を中心に、エンタメ、ライフスタイル、テック、子育てなどの分野で執筆を行う。