年金生活者である母親に、毎月7万円の仕送りを続けている川上さん(仮名)。毎月ギリギリの生活ですが、子どもの高校受験を前に、さらなる教育費負担がのしかかります。そんなときに母親のもとに日本年金機構から届いた「緑色の封筒」。中身は何だったのでしょうか? 今回は「年金生活者支援給付金」について、FPの辻本剛士氏が解説します。
もう限界です…「年金月6万円」73歳母への“エンドレス仕送り”で窮地の〈月給33万円〉40代息子が、年金機構から母に届いた「緑色の封筒」に救われたワケ【CFPの助言】
母親の自宅に年金機構から届いた「緑色の封筒」
その後も健司さんは、母親の直子さんへの仕送りを続けていましたが、ある日、直子さんからの電話がありました。「年金機構から変な封筒が届いたの。一度見に来てくれない? 最近、年金とかの詐欺があるって聞いたから」とのこと。
週末、母親の自宅を訪れた健司さんは、直子さんが受け取った緑色の封筒を手に取りました。封筒には「年金生活者支援給付金請求書」と記載されています。
中身を詳しく読んでみると、直子さんには「年金生活者支援給付金」として、月約5,000円が支給されることが判明しました。
健司さんは驚いて直子さんに伝えました。
「母さん! 今の年金に上乗せして毎月約5,000円が支給されるみたいだよ! 年間で6万円にもなるみたいだ!」
この金額は一般的には大きなものではありませんが、川上さん親子にとっては、非常にありがたい知らせでした。
息子に金銭の援助を受けることを少なからず申し訳なく感じていた直子さんは、健司さんに伝えます。「健司、いつも仕送りありがとうね。これから給付金が入るし、私ももう少し家計を見直して、健司の負担を減らせるよう努力するわ」
健司さんは、その言葉にホッとしながらも、「母さん。それは本当にありがたいよ。実はこれから長男の高校受験で、毎月の教育費負担が増えてしまうから、大変になりそうなんだ」と、健司さん一家の家計の現状を、包み隠さず直子さんに話しました。
最終的に話し合いを経て、母への仕送りを7万円から6万円程度に減額することが決定しました。
妻もこの結果に対して「本当にありがたい話ね。これで少しは家計も楽になるかもしれないわ。私たちも、長男の受験のために、節約していかないとね」とひと安心の様子。
「緑色の封筒」がもたらした予期せぬ支援が、川上家の財政状況に、僅かながらではあるものの、希望をもたらすこととなりました。