「年金生活者支援給付金」の対象者には、月に約5,000円給付される

「年金生活者支援給付金」とは、現在老齢基礎年金を受け取っていて、かつ所得が少ない人に支給される給付金です。年金生活者給付金には、老齢(補足的老齢)生活者支援給付金、障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者支援給付金の3種類に分かれています。

この給付金の支給は、2019年10月1日の消費税引き上げと同時にスタートし、いまのところは、恒久的に支給される制度となっています。

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金を受け取れる要件は、以下のとおりです。

・65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること

・同一世帯の全員が市町村民税非課税であること

・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8,900円以下であること

条件に当てはまるかどうかの確認は、自身でおこなう必要はありません。

給付額給付額は、保険料納付済期間等に応じて算出され、次の①と②の合計額となります。

① 保険料納付済期間に基づく額(月額)=5,140円 × 保険料納付済期間/480月

② 保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1,041円× 保険料免除期間/480月

年金生活者支援給付金請求書は、該当する人へ毎年9月1日から順次送付されます。 給付金を申請する場合は、請求書に必要事項を記載して返送すれば可能です。

生活困窮者は1人で悩まず自治体やFPに相談することが大切

後日、まだまだ経済的な困難に直面している川上夫婦と健司さんの母・直子さんは、今後の家計設計について、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談へ行くことにしました。

FPはまず、直子さんを健司さんの扶養に入れることを提案。この変更により、健司さんは、扶養控除48万円の適用を受けることができ、所得税や住民税が軽減されます。さらに、直子さんが扶養に入ることで、健康保険料の負担もなくなり、年間で約3万円の節約が可能となりました。

そのほかにも、FPのアドバイスに従い、川上家は家計の見直しを行い、これまでよりも、経済的な余裕を持つことができるようになったといいます。

このように、生活が困窮してしまう場合は、自分だけで解決しようとせず、生活困窮者自立支援制度の活用やFPに相談するなど、専門家の助けを求めることが大切です。
 


辻本 剛士
ファイナンシャルプランナー