うまく雑談できる人は 意外にもネガティブ思考で、できない人は ムダにポジティブ思考。

「毎日ポジティブに生きています」「毎日、感謝しかありません」このように「ポジティブに明るく頑張っています」とアピールする人は危険です。ポジティブは毒になるという研究結果が出ているからです。


『成功するにはポジティブ思考を捨てなさい』ガブリエル・エッティンゲン(講談社)によると、「理想の未来を思い描くことは、夢を実現する助けにはならない。それどころか、夢の実現を妨げてしまう可能性がある。夢を見るという心地よい行為によって、人は頭の中で願いをかなえてしまう。


すると、現実世界で困難を切り抜けるために必要なエネルギーが残っていない。さらに自分のネガティブな感情を無視していることで起こる副作用はかなり大きい。ポジティブ思考を善として、ネガティブを悪として拒絶することは、実は心身にとって不健康。常にポジティブであることが、むしろ自分の毒になっている」


このように、「ネガティブなことは考えないで、明るく頑張ろう」というやり方は、効果的ではないといいます。ネガティブをなかったことにしていくことで、メンタルヘルスに大きな負債を与えてしまうと、ガブリエル・エッティンゲン博士は言います。自分の体と心への気づきを封印してしまうのは、身体にとって強い毒なのです。厚生労働省のサイトにも、感情に気づかないようにしていたり、感情を言語化ができないと、心身症の原因になると明記しています。


博士は、それの問題を乗り越えるために「WOOP」というツールを開発しました。WOOPとは、(1)Wish(願い)(2)Outcome(結果)(3)Obstacle(障害)(4)Plan(計画)の4つのステップの頭文字を取ったものです。


●WOOP
(1)願望とその願望が重要な理由を書く(Wish)


(2)最高の結果を書く(Outcome)


(3)目標の障害になりそうなこと全部を書く(Obstacle)


(4)その障害にどう対処するのかを書く(Plan)


この4つの手順を使った例を紹介します。


(1)願望:月100万円稼ぐ 理由:ゆとりができる


(2)最高の結果:留学してMBAを取得する


(3)障害:自分にはそんなに稼げるわけがないと思う


(4)計画:心理の勉強をして、お金のメンタルブロックを外す


このように、(3)の障害(Obstacl)と、(4)の障害を予想したプラン(Plan)を立てるというのが、WOOPの大きなポイントです。望みどおりには事が運ばない状況を鮮明にメンタルリハーサルをすることです。その障害がいつ、どのようなタイミングで現れるかを具体的にイメージしましょう。そして、その障害が起きたときに、何をするのか、どうしたらいいのかという対策を考えましょう。


多くの人は、目標達成をイメージするときに、障害が何も起こらないかのようなイメージをつくりがちです。それだと、障害が起きた瞬間に、挫折しやすくなってしまいます。起こりうる障害を組み込んで、メンタルリハーサルを行っていれば、あわてずに対処できるでしょう。


【ポイント】


ポジティブは身体にとって毒。ネガティブを受け入れて行くことでパワーを出せます!
 

一般社団法人日本聴き方協会代表理事
松橋良紀