うまく雑談できるようになりたいですよね。一般社団法人日本聴き方協会代表理事の松橋良紀氏は、著書『うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣』の中で雑談できる人とできない人の違いを取り上げています。それは一体どんなものでしょうか?本書から詳しく紹介します。
うまく雑談できる人は 聴覚イメージを使いこなし、できない人は 誰にでも同じ言葉を使う。
前項で「イメージ」を与える言葉についてお伝えしました。ところでこの「イメージ」という言葉を、多くの人は「視覚イメージだけのこと」だと誤解しています。五感というくらいですから、視覚イメージだけでなく、聴覚イメージ、触覚イメージ、嗅覚イメージ、味覚イメージと、イメージには5つあります。先ほど紹介した視覚優位のタイプの特徴をお伝えしましょう。
・視線は上方に向きがち
・身なりはきちんとしている
・整理整頓を心掛けている
・物を記憶するときには絵にして覚える
・周りの音に気持ちを乱されにくい
・話がよく飛ぶ
・言葉で出される指示を覚えにくい
・見かけを大事にし、外見に心を動かされやすい
・早口で話す
このような特徴に比べると、聴覚優位タイプの特徴は大きく変わります。
・目を左右によく動かす
・言葉を大切にする
・理論的である
・雑音があると集中できない
・言葉で伝えられたことを、そのまま繰り返すことが容易にできる
・聴いて学習することが得意
・音楽を聞くのが好き
・電話で話したりすることが好き
・音に関する言葉で表現する
・話し方は落ち着いている
・数字やデータで分析するのが得意
アナウンサー、営業、講師業、著述業など、口にする言葉や書く言葉に人並み以上に敏感な仕事をしている人たちは、聴覚優位が多いです。聴覚優位の人たちには、次のような聴覚的な言葉を使うことで、よりイメージが伝わりやすくなります。
・(話)話術、談話、会話、対話、訓話、逸話、実話、秘話、童話、寓話、話題
・(聞)見聞、伝聞、内聞、聴聞、前代未聞、旧聞、醜聞、異聞、艶聞
・(聴)聴覚、聴聞、聴取、聴講、聴衆、視聴、拝聴、傍聴、傾聴、静聴、盗聴、難聴
・(言)言質、失言、宣言、格言、金言、方言、苦言、助言、提言、暴言、名言、伝言
・(評)評価、評判、評論、酷評、寸評、総評、批評、悪評、好評、定評、風評
・(論)持論、異論、正論、公論、世論、教育論、理論、論点、論じる
・(調)口調、単調な、調和、強調、調子を合わせる、ハーモニー
・(響)響き、音響、残響、反響
・(鳴)鳴る、共鳴する、怒鳴る、鳴り響く
・(黙)黙る、沈黙、寡黙、黙して語らず
・ げらげら、ぺちゃくちゃ、ざあざあ、がちゃん、ごろごろ、ばたーん、どんどん、きらきら、つるつる、さらっと、ぐちゃぐちゃ、どんより、うろうろ、ふらふら、ぐんぐん、ばたばた、のろのろ、ぼうっと
このような聴覚の言葉を使いこなすと、聴覚優位の人たちとも調子が合って、心に響く会話になるでしょう。
【ポイント】
聴覚優位の人に伝わる言葉を使いこなそう!
一般社団法人日本聴き方協会代表理事
松橋良紀