タワマンに限ったことではないですが、南向きと比べると人気が劣る西向きの物件。午後から夕方にかけての強い日差し、窓から入りづらい朝日、床や壁が日焼けしやすいなどといった理由があるようです。しかし、タワマン暮らしを始めたAさん夫婦は、あえての西向きを選びました。一体なぜでしょうか? 本記事では、Aさん夫婦の事例とともに、西向きのタワマンについて社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
意外に快適です…年収3,000万円・貯金3億円の60代夫婦「あえて西向きタワマン」を選んだ理由【FPが解説】
思い出の西向き
一般的に南向きの部屋のほうが金額は高く、西向きの部屋は西日が強いことから金額は低めであまり人気がないといわれています。しかし、前述のとおりAさん夫婦はあえて西向きを選びました。
不動産会社の人からは、「西向きは西日が強く、暑さがこもります。西向きより、東向きはいかがでしょうか」と勧められましたが、Aさん夫婦は、結婚を決めた当時、プロポーズ時のシチュエーションを思い出します。夕日をバックにプロポーズし、きれいな夜景を眺めながら2人の将来を語ったことを思い出し、夕日の綺麗な西向きを希望しました。
さらに、寒がりな2人には暑さより寒さ対策が必要だったのです。西向きは日が長く当たることに加えて価格が低いです。老後資金はいくらあっても不安。購入価格を大きく削れるうえに、ニーズに合うのなら、少しでも多く蓄えを残しておきたいと考えました。
しかし、毎日となると話は別です。西日の眩しさは堪えます。不動産会社の人からのアドバイスを受け、遮光性の高いカーテンなどを選びます。家具が劣化や変色する可能性を伝えられましたが、もともと、質素倹約で家具も少なく、ソファーにはカバーを季節ごとに色を変えるなど、楽しんでいるため、気にならないとのこと。
「快適に過ごしています」
年を重ねても仲のよいAさん夫婦。タワマンに住むようになって、寒さを気にすることもなくなり、さらにセキュリティー対策がしっかりしていることから、安心して温泉旅行に出かけられます。
万一、介護が必要になったら、タワマンを売却して2人で施設に入居することも考えています。退職後は時間に余裕ができるので、ずっと2人で暮らせるように、しっかり資産運ていきます、と明るく話してくれました。
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表