「ギリギリで」立っていた定子

――藤原定子を演じきって

常に何かと何かに引っ張られているというか、両極のものに引っ張られながら、その中でギリギリで自分を保っているような印象があります。政治と恋愛とか、子どもと家族、子どもと天皇とか、いろんな自分じゃないものに引っ張られながらも、ギリギリで立っている役だったので、シーンを経るにつれて、強さというか、わかりやすい「強いぞ」といういう強さというよりは、もうちょっと達観していく強さをどんどん得ていくような印象がありました。

――后を二人とすることを聞いて

強がりで言っているわけでももうないのかなというか、最初のころはピュアでユーモアのある明るい人という印象だったのですが、年々みんなよりもうちょっと一個フラットな次元でものを考えるというか、一条(天皇)が好きだから、一条のためにどうしてあげたら一条がいいようになるんだろうとか、もう一つ大人の意味での愛情があったのかなと思いました。

(C)NHK
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家族でもない一条でもない…ききょうとの間にあった絆

――ききょうについて

最初のころは、本当に仕えるものとそれを受けるものという適度な距離があったと思うんですけど、やっぱりどんどん定子が追い詰められて周りに頼れるものがいなくなったときに、最後までついてきてくれたのはききょうでなので、唯一荒波の中でつかめた花みたいな感じの印象で。

最後のほうのセリフで「私の気持ちをわかってくれるのはそなただけだ」というセリフをききょうに言うんですよね。それは本当に家族でもなく一条でもなくききょうだったっというのは、一条との愛というのはすごく定子の中で大きいトピックですけれど、でも、ききょうとのラブストーリーじゃないですけど、女同士の強いほかのものに邪魔されないつながりみたいなものが、どんどん撮影を追うごとに定子の中で大きいものを占めてきたなと思いますし、それにつれて(ファーストサマー)ウイカちゃんともすごく親密になれたかなと思います。

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