テレワークスペースを寝室に造る方法

寝室などの広くない個室にテレワークスペースを造る場合、気を付けなければいけないことが2つあります。それはベッドの位置とエアコンの位置です

[図表5]はクイーンサイズのベッドを置いてある、広さ6畳ほどの寝室の様子です。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表5]変更前のレイアウト① 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

代表的なレイアウトは、このように、ベッドの反対側に、壁に向けてテレワークスペースを造る方法です。

このレイアウトは、広さや動きやすさからいうと、理想的です。

しかし、オンライン会議などのときには、仮想背景で部屋の様子を隠していても、カメラの角度や不具合などで、夫婦のプライバシーが映ってしまうという欠点があります。

また、エアコンの位置も問題となります。エアコンの風は、冷気は水平に吹きだし、暖気は垂直下に吹きだした方が、1番効率的に部屋を冷暖房できます。

しかし、[図表6]のように、エアコンがデスクの真上にくるため、暖房時のエアコンから垂直下に吹きおろす暖気が、デスクを直撃してしまいます。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表6]変更前のレイアウト② 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

また冷房時には、水平に吹きだす冷気がベッドを直撃し、部屋を冷やすためには寒さを我慢しなければなりません。

そこで、考えられるレイアウトは、[図表7]のように、ベッドの向きを変えて、ベッドのヘッドボードを利用する方法です。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表7]変更後のレイアウト① 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

ベッドのヘッドボードと、背中合わせにテレワークスペースを造ることで、カメラは壁の方を向き、プライバシーが映り込むことを防ぎます。

また、エアコンから吹きだす風を避けることで、冷暖房時にエアコンから受ける影響を、少なくすることができます。

そのほか、[図表8]のように、ベッドのヘッドボードに、直角にテレワークスペースをレイアウトすることも可能です。

出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋
[図表8]変更後のレイアウト② 出典:『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より抜粋

カメラは部屋の扉を向きますが、ベッドなどが映り込むことは避けられます。

こちらもエアコンから吹きだす風を避けることができるので、効率の良い冷暖房を行ないながら快適なテレワークが行なえます。

書斎などのテレワークをするスペースがない場合は、それぞれの部屋にテレワークスペースを設置することで、TPOに合わせた、「家庭内ノマド」的な自由なテレワークが可能になります。

しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー