みなさん、ねんきん定期便で、自分がいくらもらえる見通しか、チェックしていますか? すでに受給が始まっている人はチェックしていましたか? 今回は一見、老後資金に余裕のありそうなおひとり様シニア・吉村さんがいかに「老後崩壊」に追い込まれたのか? のぞいてみましょう。
医療費がかかることも増えていく…その状態でも続く住宅ローンの返済
主:いててて!うう……年のせいか最近、こむら返りがひどいな……また病院に行かなきゃいけないが……医療費ばっかりかさむなあ。
年齢を重ねると、当然医療費も増加します。
主:確かにこれらもきついが、わたしが一番大変なのは家のローンだよ。
ワ:あれ? 幸三さんは持ち家だから住宅費用はかからないと思っていたよ。
住宅ローンの返済が終わるのは平均的に70代になってからです。収入も限られている状態で住宅ローンの返済を残した暮らしとなると、貯蓄を削りながら生活するしかありません。
ワ:年金生活をしながら住宅ローンの支払いって、難しすぎるね。
退職金で一度に繰り上げ返済をする、という方法も契約によっては可能ですが、貯蓄が一度に減ることを考えると、どちらを選択しても懸念が残ります。
ワ:うう……幸三さんが心配だよう
主:わたしはそこで、少し考えを変えてみることにしたんじゃ。
ワ:え?
主:まずは医療費を減らすにはどうすればいいか考えた。若いときは何もしなくても元気だったとはいえ、この歳になったら何もしなけりゃすぐに体にガタがくる。そこでわたしが始めたのが近所の友人たちとのゲートボールだった。
最初はいかにも年寄りの遊びだと思っていたが、これがどうしてなかなかゲーム性がある。友人たちと集まって話しながら運動することで、自分ひとりで不安を抱え込むことがなくなっていった。そのおかげか、体の調子も前よりずっといい。なんなら50代のときより体が軽い!
それにわたしは自分の家で近所の小学生相手に自宅で習字教室を開くことにした。わたしが若いころはワープロも無かったから、得意先への手紙や年始のはがきは全部手書きが当たり前だっただけに慣れたもんだ。月謝は少額だが、こうして自分で収入を増やせるというのはやはり頼もしいものがある。最近はオンライン教室も開催しているんだ!
仕事からは引退したが、わたしはまだまだ元気そのもの! いつかあっちで妻と会うときにはたくさん土産話をしてやらんとなあ!
考え方を変えて、新しい挑戦を次々と始めた幸三さん。第ニの人生がスタートしましたね! これからも幸三さんの人生を応援しています!