大半の日本人は「足」に対して“決して清潔ではないもの”という意識を持っています。しかし、カナダでは足に対する感覚が大きく異なるようです。本記事では『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方”へのノンストップ直行便です』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集し、バンクーバー在住・現役CAのRyucrew氏がカルチャーショックを受けた、足にまつわる経験をご紹介します。
食洗器で〈靴〉を洗う、飛行機のトイレに〈裸足〉で入る。強烈なカルチャーショックに思わず「嘘やろ?」【現役CAの実体験】
足グセはよくないが…感覚の違いで助けられた経験も
このように、日本で育った私からすると〝足グセ〞は決してよくないと感じてしまいます。
例えば友達が家に遊びに来たときも、ものすごく仲が良くて、頻繁に遊びに来るような間柄でない限り、日本人なら、どれだけ「くつろいでね」と言われても、多少は気を使うのではないかと思います。
でも、私のパートナーの友達は、家人が促すよりも先にソファにボンと腰を掛け、人の家でもお構いなしにコーヒーテーブルに足をドカッとのせます。
フライトアテンダントが、通路に出ているお客様の荷物が邪魔だと足で蹴ってよけることもあります。でも、それをされたお客様は怒りません。「あ、出てた?」という感じです。
日本ならあり得ないことですし、実際に、日本人のお客様から怒られたこともありました。それも蹴っていない私が。日本語が通じる相手が私だけですから、それも仕方ありません。
しかしながら、お客様の荷物を蹴った張本人に「なあ、こうやってお叱りを受けたんやけど」と言っても、向こうは「え、何が悪いの?」と、まったく悪びれる様子はないのです。
一方で、足に対する感覚の違いで助けられる経験もしました。
年に一度の乗務員資格更新訓練のときのことです。今は私服での参加がOKなのですが、昔は制服を着て行かなければならなかったり、訓練のなかで制服チェックが行われたりしていました。そのときに、革靴を忘れてしまったことがありました。
訓練が行われるのは、自宅のあるバンクーバーから離れたカルガリーで、革靴がないことに気づいたのは、前泊していたカルガリーのホテルで訓練前日の22時頃。お店は既に閉まっている時間です。翌日の訓練は朝から始まるので、お店が開くのを待つこともできません。
あるのは自宅から履いていったスニーカーのみ……。制服チェックはとても重視されているため、このときばかりは「終わった」と思いました。
焦りに焦った私は前泊していたホテルのフロントへ行き、「変な質問で申し訳ないのですが、革靴って借りられませんか?」と尋ねました。もちろん貸す靴なんてあるわけがないのはわかっているのですが、藁(わら)にもすがる思いでした。
すると、男性のフロントスタッフが「俺、あと15分で今日のシフト終わりやから、今履いている靴でよかったら貸したるで」と言ってくれたのです。
知らない人に靴を貸すなんて、普通なら絶対にあり得ないことですが、優しさに助けられ、私は最大のピンチを切り抜けたのでした。
Ryucrew
現役CA(キャビンアテンダント)