いよいよ夏休みが近づき、国内・海外問わず旅行の計画を立てている人も多いでしょう。しかし、旅先のホテルに着いてすぐにベッドにダイブ!というのはやめておいたほうがよさそうです。昨年、韓国やフランスで大量に発生した害虫「トコジラミ(ベッドバグ)」が潜んでいるかもしれないからです。本記事では『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方”へのノンストップ直行便です』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集し、現役CAのRyucrew氏によるトコジラミ(ベッドバグ)を防ぐための対処法をご紹介します。
夏休み、旅先のホテルにチェックインしたら一目散に〈ベッドの四隅〉を確認すべき「怖すぎる理由」【現役CAが解説】
日本でも急増中!ホテルでまず確認したい、恐怖の害虫とは?
海外のステイ先では、ホテルにチェックインした際に必ず確認することがあります。それがベッドの四隅です。
自分の荷物をベッドに置いてリラックスする前にまず、ベッドメイクで織り込まれたシーツや掛け布団を引き剥がして、マットレスをチェックします。ここに何がいるのかというと、吸血性の害虫であるベッドバグ*です。
*ベッドバグ…小さな昆虫で、主にベッドや寝具に生息し、人間の血液を吸って生きる。刺されるとかゆみや皮膚炎を引き起こす。トコジラミ、南京虫とも呼ばれる。
ベッドバグは基本的に、マットレスの四隅に多くいます。フライトアテンダントになってすぐの頃、先輩に「ベッドの四隅は絶対にチェックしいや」と言われて以来、欠かしません。
最近まで日本のホテルの場合はそこまで心配がないため、私も基本的にはチェックしなかったのですが(現在はチェックしています)、海外のホテルでは絶対にチェックしてほしいと思います。日本人のよく訪れるニューヨークやハワイなど、アメリカの有名スポットは特に多いので注意してください。
また最近は、コロナ禍が落ち着いたことや円安の影響もあり、日本も海外からの観光客が増えていると思います。それはとてもよいことなのですが、その荷物に紛れ込む形で、知らないうちに海外からベッドバグを連れてきてしまい、日本のホテルでベッドバグが繁殖したというケースも、なきにしもあらずです。
実際に、日本でもベッドバグに関する相談が急増しているようですから、心配な方はチェックしていただくとよいかもしれません。
ベッドバグは目で見える大きさなので、確認できたら、あるいはベッドバグがいなくても虫の卵のようなものや、人間の血を吸うことから黒や赤のシミになっていることも多いので、そうした形跡が確認できたら、すぐにフロントに電話して部屋を変えてもらうなどの対応が必要になります。
ベッドバグは繁殖力と生命力が非常に強く、いったんベッドや部屋に住み着くと、駆除することがかなり難しいといわれています。しかも夜行性のため、入念にチェックしない限り見つけることは困難です。
最近は、市販の殺虫剤が効かない、スーパートコジラミなるものが増えているそうです。その抵抗性は一般的なベッドバグのなんと1,000倍だとか。その存在を確認できたとしても、肝心な駆除ができないなんて、恐ろしすぎますね……。
成虫のメスを1匹見つけたら、おそらくそのベッドには、ほかにもたくさんの仲間がいると考えて差し支えありませんし、ベッドの四隅にはベッドバグの卵が産みつけられていることもあります。これも成虫がどこかに隠れているサインといえます。