旅行で飛行機に乗る機会が多いシーズンになりました。機内でおこりがちなのが、スマホやモバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホンをシートの隙間に落としてしまうこと。しかし、現役CAのRyucrew氏は「そういうときはフライトアテンダントを呼ぶこと。自力で取るのはやめてほしい」と話します。その理由を、『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方”へのノンストップ直行便です』(KADOKAWA)より一部抜粋し解説します。
【飛行機内のNG行動】シートの隙間に落とした「スマホ」「モバイルバッテリー」「ワイヤレスイヤホン」を“自力”で取ろうとしてはいけない理由【現役CAが助言】
シートの𨻶間に落ちたものは自力で取らない!
2〜3年ほど前、スマートフォンやモバイルバッテリーなどに使われているリチウムイオンバッテリーが、衝撃を加えることによって出火するケースが多数発生したことを受け、最近になって、各航空会社でアナウンスに追加されたことがあります。
それは、携帯電話やスマートフォン、モバイルバッテリーがシートの隙間に落ちてしまったときには、自分では絶対に取ろうとせず、必ずフライトアテンダントを呼んでくださいというものです。
飛行機の座席シートは、一見すると単純な構造に見えるかもしれませんが、隙間に物が滑り込むと、意外に変なところへ入り込んでしまうことがあります。自分では絶対に取れないようなところに入ることも少なくありません。
お客様が隙間に落ちたスマートフォンを無理やり取ろうとして破損させてしまい、火が出たという事例も実際にあったようです。
また最近は、フライトのたびに必ず1〜2件は起こるのが、AirPodsのようなワイヤレスイヤホンがシートの隙間に入り込んでしまうこと。これは、現役クルーの多くが「そうそう!」と、大きくうなずいてくれると思います。
電車に乗ったときも、ホームから線路内に落としてしまって、駅員さんを呼ばれる方がいると聞きますが、飛行機でも本当によくあって、と言いますか、ワイヤレスイヤホンの浸透により最近急増しています。
スマートフォンやモバイルバッテリーよりもさらに小さなイヤホンですから、これが隙間に入ってしまうと、まず自力では取れません。場合によっては、フライトアテンダントでも取ることができない場所に入り込んでしまうこともあります。そうすると、着陸後にメンテナンスのスタッフを機内に呼び、シートを外して救出作業にあたることになります。
ワイヤレスイヤホンはそれなりの値段がすることもあって、皆さん、絶対にあきらめようとはされません。深夜便で機内の照明を落として暗いなかで、スマートフォンのライトを照らしている人がいて、「どうしたんやろ?」と思ったら、ワイヤレスイヤホンを一生懸命探していたということもありました。ガサゴソとしているので、寝ている周囲のお客様を起こしてしまわないか、思わず心配にもなります。
気持ちはわからなくもないのですが、紛失のリスクを回避するためにも、機内で音楽や映画をワイヤレスで楽しみたい場合には、左右のイヤホンがコードでつながったタイプのものやネックバンド式のもの、あるいはヘッドホンのように隙間に落ちる心配がないものにしていただくと、不要なストレスを回避することができるかもしれません。
本当に毎フライトのようにあるので、機内でワイヤレスイヤホンを使われる場合には、どうか気をつけていただきたいと思います。そもそも座席の隙間って決してきれいなものではないので、万が一、耳に直接入れて使うイヤホンがシートの隙間に落ちたら衛生的にも気になりますしね。