銀行で勧められた運用
銀行の「退職金運用セミナー」では、投資をする際には分散投資が重要だということや、その銀行で実施されている「退職金専用定期預金」「退職者専用プラン」の説明が行われました。セミナーの概要は以下のとおりです。
≫分散投資※
投資を行う資産には、株式、債券、不動産、国内、海外など複数の種類がある。1つの資産だけに集中して投資するより、複数の資産に分散して投資した方が価格の変動を抑えやすく、安定した運用が期待できる。
≫退職金専用定期預金
・退職金の受取りから1年以内に預け入れ、1回だけ利用できる
・給与振込・年金受取の取引がある場合は、金利の上乗せがある
・他の金融機関で受け取った退職金でも、当行の口座に預け替えれば対象となる
・預入金額:200万円以上、退職金受取額を上限とする
・定期預金の金利:1.00%
・期間:3ヵ月
≫退職者専用プラン
・退職金の受取りから1年以内に預け入れ、1回だけ利用できる
・対象の運用商品と定期預金を同時に申し込むと、定期預金が特別金利で預け入れられる
・対象の運用商品:投資信託、ファンドラップ
・預入金額:200万円以上、退職金受取額を上限とする
・定期預金の金利:7.00%
・期間:3ヵ月
Kさんは、再雇用による毎月の収入はありましたが、事業部長として勤務していたときの1,300万円の年収と比べると、4割ほどになっていました。退職金のほかにも3,000万円の貯蓄がありましたが、これからの収入に少し不安もありました。
銀行員「私の母も買っています」
Kさんは、担当者が「これは、私の母も購入しているものなんです」と勧める、高配当の株式に投資する投資信託に魅力があると感じ、金利のより高い退職者専用プランに、退職金の全額2,000万円を預けることに決めました。
投資信託の運用成績は、3ヵ月間は順調でした。気をよくしたKさんは、3ヵ月が過ぎ定期預金の満期が来たときに、そのお金でもう1種類、少しリスクが高くリターンも大きく見込める投資信託を購入することにしました。それから半年ほどたったころ、銀行からまた封書が届きます。