超ハイスペックなひきこもり

ブッダは、とんでもなく恵まれていた。仮に、古代インドにマッチングアプリがあったとしよう。もし、ブッダが登録すれば、あまりに「ハイスペック」すぎて、婚活市場のバランスは完全崩壊し、サービスは終了においこまれるだろう。

まず実家が太い。

実家、王家。職業、王子。年収は、おおすぎて測定不能。頭脳も、のちに人類史にきざまれるレベル。しかも、たぶんめっちゃイケメンだった。修行中、地元のギャルに突如おかゆをもらったりしたので。

でかい城にすんで、ほしいものは全部手に入る。豪華なご飯を毎日たべて、ハーレムまであった。(実家にハーレムあるのいやすぎる)家族にもめちゃめちゃ愛されてた。「王子」って、超やりがいありそうな仕事やん。

しかし!

こんな恵まれた環境なのに、ブッダはバキバキに「虚無感」に苦しんで生きていた。たぶん、ずっとふとんに入ってたと思う。王子といいつつ、じっさいは「無職のニート」だったのだ。王家にうまれて、虚無感でふとんに入っていたブッダ。

庶民のくせに、「自分、めぐまれてるしな……」と虚無感をもつことすら申し訳なくおもってた自分が、最高にバカらしくなる。どんなに恵まれてても、虚無感はかんじるものらしい。それを、若いときのブッダが証明してくれてて救われる。

ブッダ、自分探しの旅にでる

無職、哲学的になりがち。ぼうだいに時間があるから。暇な時って、「なんのために生きてるんだろう?」とか考えこんでしまったりしません? するよね?

ぼくもふとんの中で一日中、「ブラックホール同士が衝突すると何がおきる!?」みたいな動画をみて、宇宙に思いをはせていた。ブッダも、だいたいそんな感じだった。

「この人生なんの意味があるんだ?」
「本当の自分ってなんなんだろう?」

しかし、並の無職とは、スケールが違う。

本気で考えすぎて、ある日、家出して、そのまま一生外にいた。「出家」である。バレるとやばいので、夜にひっそりでていったらしい。ブッダも、「自分探し」の旅にでたのだ。ぼくらのより、だいぶガチのやつだけど。

「出家」ってつまり、「ホームレス」になること。

森とかでねる生活。治安悪いし、トラとかいる。

ブッダ、29歳。アラサー。王子からホームレスに。理由、自分さがし。大企業からベンチャーに転職する、みたいなレベルじゃねぇ。しかも、このとき、妻と、うまれたばかりの子供がいた。出家とは、家族の縁をきることである。王様やってる父ちゃんも、急に後継者がいなくなってパニックである。