2024年5月にビットコインが史上最高値を更新(2024年7月初旬時点では大幅下落)するなど、暗号資産への注目が高まっています。なかには、「話題になっているから」と安易に暗号資産投資を始めようとする人もいるかもしれませんが、やみくもに手を出すのは考えもの。まずは基本を押さえることが大切です。ここでは松嶋真倫氏の著書『暗号資産をやさしく教えてくれる本』(あさ出版)より、暗号資産の誕生秘話や特徴など、最初に知っておきたい情報を解説します。
何かと話題の〈ビットコイン〉、発明者は正体不明の日本人?…いまさら聞けない「暗号資産」の超基本【マネックス証券アナリストが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

暗号資産の誕生は世界的金融危機の直後だった

暗号資産は、「ビットコイン(Bitcoin)」の誕生によって登場しました。2008年9月に「リーマン・ショック」という世界的な金融危機が起きた直後、同年10月に「Satoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)」と名乗る人物またはグループによって、「Bitcoin:APeer-to-Peer Electronic Cash System(ビットコイン:P2P電子マネーシステム)」というタイトルの論文がインターネット上で公開され、銀行など第三者を介さずとも個人間で直接取引できる電子通貨システムが実質発明されたのです。

 

「リーマン・ショック」とは、アメリカの有力投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、それを契機として広がった世界的な株価下落、金融不安(危機)、同時不況のことです。1つの銀行の倒産が世界規模の金融危機に至ったことから、銀行を中心とする従来の金融システムへの信頼が大きく揺らぎました。

 

日本でも、直接リーマン・ショックに関係してはいないものの、投資家たちが米ドルを手放し円をこぞって購入したため、急激な円高になり、輸出産業が大打撃を受け、株価が大暴落、不況に陥りました。

 

このタイミングでの「ビットコイン」の誕生に、世界は注目したのです。

 

暗号資産の仕組みは発明者がわからない大発明

ところが、ビットコインの論文の書き手「Satoshi Nakamoto」という人物の正体がわかりません(今でもわかっていません)。というのも、論文が公開されたのは、論文雑誌や学会発表のような場ではなく、「サイファーパンク」という暗号技術の研究に熱心な開発者グループのメーリングリスト内であり、ペンネームでの投稿だったからです。

 

そこで、ビットコインの構想に賛同する「サイファーパンク」の有志メンバーによって、論文の研究、仕組みの解明が行われ、開発が進められました。それが、今の暗号資産の技術的な基盤となっています。

 

ちなみに、暗号資産は「暗号技術」を活用することで、個人間取引の仕組みを実現しています。「暗号技術」とは、データの内容を第三者にわからない形式に変換したり(暗号化)、変換したデータを元に戻す(復号化)技術のことです。