今年に入って新NISAがスタートし、投資信託や資産運用に関心を持つ人が増えているようです。しかし、証券口座を開設したものの、実際に運用を開始できていない人が約4割もいる現状があり、投資を「難しい」「怖い」と考えている人が一定数いるのも、また事実かもしれません。そこで今回は、初心者が投資を始めるうえで大切な心得を、CFPであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を勤める市川雄一郎氏が解説します。
〈万人向けの商品〉〈金融機関への相談〉は要注意…投資初心者が「不本意な投資」をしないために頭に入れておきたい“鉄の掟”【CFPが助言】
新しくなったNISA、実際何が変わったのか?
NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの投資枠があります。去年までは、「積み立てNISA」と「一般NISA」という言い方をしていました。名前だけではなく、金額も変わり、つみたて投資枠の場合は年間で120万円、成長投資枠が240万円まで投資することができます。
さらに、従来は、どちらか片方のみの運用しかできなかったところが、現在は併用可能となり、合わせて360万円までの投資が可能に。期間も無期限化され、非課税保有限度額に達するまでは、期間関係なく投資ができるようになりました。
成長投資枠の上限である1,200万円を超えなければ、1,800万円までの投資が可能です。この1,800万円は積み立て投資枠に全額使うこともできます。
そして、新しいNISAには「復活枠」というものがあり、上限240万円のなかで運用し、売却した投資があった場合、翌年には、その元本の金額分足して投資をすることができます。
ただし、年間240万円という上限設定のため、短期売買ではなく、長期売買向きであることに注意しましょう。
つみたて投資枠は、金融庁が選んだ投資信託、もしくは上場投資信託のなかから選択することができます。一方で、成長投資枠の場合は個別株、つみたて投資枠以外の投資信託、つみたて投資枠のファンド、それ以外のファンドも購入することができます。
つみたて投資枠で選択することのできるファンドは、比較的手数料が安く、購入手数料も一切かかりません。その点が大きなメリットになっているため、初心者はつみたて投資枠を活用しながら、慣れてきたら成長投資枠も活用していくのがおすすめです。
対象年齢は18歳以上で、成人するとNISA口座を活用することができます。
また、新しいNISAの上限である1,800万円のなかには、昨年までの元本は数えられないため、すべての人にとって、1,800万円が元本の上限ということになります。
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市川 雄一郎
グローバルファイナンシャルスクール(GFS)