今年に入って新NISAがスタートし、投資信託や資産運用に関心を持つ人が増えているようです。しかし、証券口座を開設したものの、実際に運用を開始できていない人が約4割もいる現状があり、投資を「難しい」「怖い」と考えている人が一定数いるのも、また事実かもしれません。そこで今回は、初心者が投資を始めるうえで大切な心得を、CFPであり、「グローバル・ファイナンシャル・スクール」の校長を勤める市川雄一郎氏が解説します。
〈万人向けの商品〉〈金融機関への相談〉は要注意…投資初心者が「不本意な投資」をしないために頭に入れておきたい“鉄の掟”【CFPが助言】
資産運用を始めるうえで大事なこと
資産運用を始めるうえで大事なことは、以下の3点です。
1.目的・目標を定めること
まず1つ目は、目的・目標を定めることです。目的がないことに対して、人は途中で嫌になってしまいますし、メリットを感じられないとやめてしまいます。一つ一つ小さな目標をクリアしていって、最終的には、大きな目標をクリアするというのが目的になるわけです。これが投資をするでは大事な部分になります。
投資をするときには、「いつまでにどのくらいお金を稼ぎたいか」「そのうえためにどんな商品を選ぶべきか」「どんなリターンのある商品を選んだらいいのか」という一つ一つの選択が重要です。
2.体系的な学習
2つ目は体系的な学習です。体系的な学習というのは、基礎からしっかりと学習していくことです。「楽して儲けられる」という投資の広告をよく見るかもしれませんが、ほとんど嘘です。そういったものには引っかからないようにしてください。
基礎力なくして応用力はつきません。小さいときからやってきたように、しっかりと基礎から勉強をして知識を積み重ねていきましょう。
3.学習を踏まえた実践
3つ目は、学習を踏まえた実践です。学んだだけでは上手にはなりません。少しずつ慣れていくことによって上達していきます。
投資そのものが難しいわけではなくても、いきなり投資だけにフォーカスすると難しく感じてしまうかもしれません。基礎的な学習を踏まえて、実際にお金を投じてやってみることで、誰でも上手に投資ができるようになるでしょう。
初心者が必ず理解しておきたいポイント
ここからは、投資初心者が理解しておくべき3つのポイントを紹介します。
①投資と投機の違い
投機とは再現性のない一回きりのチャンスを狙うようなものなので、投資とは大きく異なります。
②途中でやめない
基本的には、「積み立て投資」が投資のベースになるというのが一般的ですが、この積み立てをしているから、と途中でやめてしまう初心者が非常に多いです。しかも、多くの人が儲かっているときにはやめず、もったいない損失をしたときにやめてしまいます。そこからマイナスイメージがついてしまうことも多いので、経済状況の悪化はある程度許容して、目標に向かって少しずつ、長期的に見ていきましょう。
③自分に合った投資手法を確立する
年齢や貯蓄額によって変わってきますし、万人向けの商品というものは実はありません。自分に合う商品が何か、まずは見極める必要があります。金融機関に相談すれば、必ず自分にぴったりの商品を提案してもらえる、というわけではないので、自分でも情報収集をしていくことが大切です。
FXなど、センスの求められる投機はリスクが大きいので、まずは万が一全部なくなってしまってもいいくらいのお金で始めてみるとよいでしょう。