Aさんの「経済的な不安」を解消するための具体策

まずは生活を整える

モヤモヤが晴れたAさんでしたが、それでも「経済的な不安」は残ります。

「毎月の収入をもう少し増やしたいんだけど……私にもなにかできることはあるのかしら?」

金融機関で働き、ファイナンシャルプランナーの資格ももっているBさんは次のようにアドバイスします。

Bさん「そうね、働くのもいいけれど、その前にまずは身のまわりを整理整頓したらどう? ひとり暮らしなんだから、開けてもいない“いただきものの食器”なんていらないでしょう。ものを減らすと生活が整うし、いまの時代はフリマアプリよ! お小遣い稼ぎにもなるし、まずは身軽にならないと」

ア、アプリ!? 聞いたことはあるけれど……Aさんは、年を重ねても新しいことを知っているBさんに驚くばかりです。そしてBさんいわく、家をスッキリさせたあとは「自分にあった仕事をみつけること」が大切だといいます。

専業主婦でも「稼ぐ手段」はたくさんある

Bさんがアドバイスしてくれた仕事は3種類でした。

①家事代行、介護スタッフ

今までの主婦としてのスキルを活かせる仕事です。Aさんは社交的な性格なので、人とのコミュニケーションが必要という意味でも向いているとBさんは言ってくれました。

②マンションなどの管理人、清掃業

朝早くから午前中までなど、時間の融通が効く場合も多く、体力的な負担も大きくありません。

③スキルを生かした在宅ワーク

書道の腕前には自信があるAさん。友人は「代筆を請け負う」という仕事があることも教えてくれました。企業から直接請け負う方法もありますし、時給は下がってしまいますが、地域のシルバー人材センターに登録し、そこから請け負うことも可能です。また、シルバー人材センターなら、ほかにもさまざまな仕事を請け負うことができますし、会員同士の交流もあります。

自分のペースで働くこと、夢中になれる趣味を楽しむこと、友人とおしゃべりすること……人生を楽しむヒントはあちこちに転がっています。“顔のみえない誰かの意見”は気にせず、自分にあった豊かな老後を探しましょう。

石川 亜希子
AFP