結婚式などのスピーチで、つい誤用してしまう日本語

僭越ですが…×

僭越ではございますが…〇

「僭越(せんえつ)ではございますが」は、ビジネスシーン、あるいはさまざまな挨拶のシーンで使われる言葉なので、使えるようにしておくと便利ですし、大人としての格調の高さを演出することができます。

さて、「僭越」は、漢文訓読式に読むと「僭(おか)し、越えて」となります。また「僭」は、「身分を越えて、上の人の真似をする」「身分不相応に驕(おご)り高ぶる」という意味の漢字です。それに「越」という漢字がつく「僭越」とは、「自分の身分を考えずに、身分以上の真似や振る舞いをすること」という意味になるのです。

部長の言葉に間違いがあることに気がついて、「誠に僭越ではございますが」と前置きをして、自分の言葉を差し挟む。あるいは、結婚式などで挨拶をするときには、きっと会場には偉い方もいらっしゃるでしょうから「僭越ながら、ご挨拶をさせていただきます」などと使います。

そこで、少し注意が必要です。「僭越」は自分からへりくだって使う言葉なので、「僭越ですが」と略した言い回しではなく、「僭越ではございますが」と言うようにしましょう。あるいは、「僭越ながら」という使い方をすることもできます。