目上の人や取引先などに対して「これが正しい」と使っている言い回しの数々、実は間違っているかもしれません。今回は特にビジネスシーンでよく登場することばに注目して、あらためて適切な日本語について考えます。ドキッとしたあなたは、ここで一緒に確認してみましょう。
取引先との電話「A部長はお休みをいただいております」→この日本語、実は間違っていた…!適切な言い回しとは?【大学教授が解説】
休みは「いただく」ものではなく「もらう」もの
・A部長はお休みをいただいております…×
・Aは休みを取っております…〇
取引先など、社外からの上司への問い合わせに対して、「◯◯さんは、今日は、お休みをいただいております」と答える人がいます。
韓国語では、目上の人に対してはどのような場合でも、尊敬語を使うという決まりがあるので、「部長は、お休みをいただいております」というのが正しい言い方ですが、日本語の場合は間違いです。
自分と同じ組織に属している者に対しては、敬語を使わないというルールがあります。まず「お休み」の「お」は丁寧語ですから外しましょう。「いただいております」も「もらう」の謙譲語ですので外してください。
自分の会社に届け出て休むのですから「いただく」という言い方は、相手に対して失礼にあたります。電話などで、このような問い合わせが来たときには、「本日は不在にしています」とか「今日は休みを取っております」と言ってください。
山口 謠司
大東文化大学文学部中国文学科教授