終活と聞くと、「縁起でもない」「死ぬ準備をしろというのか」と、拒否反応を示す人も少なくありません。ただ、終活は自分のためだけでなく、残される家族のためにも必要不可欠です。『1000人の「そこが知りたい!」を集めました 人に迷惑をかけない終活』(オレンジページ)より、アンケート結果を交えながら、終活で押さえておきたいポイントをみていきましょう。著者で行政書士/相続・終活コンサルタントの明石久美氏が解説します。
50代女性「どうすればいいの?」…“おひとりさま”の終活に不安を抱える人多数→相続・終活コンサルタントが助言【アンケート】
終活はいつ、何から始めたらいい?
理想は「今すぐ!」身近なところから着手する
元気なうちにできるだけ進めたい終活
身近な人とのお別れがあったとき、自分の人生の終わり方についても考える人は多いのではないでしょうか。
「そろそろ私も終活を……と思っても、まだ早い? 縁起でもない?」などと、ためらうかもしれません。
終活とは、死ぬ準備ではありません。もしものときに身内や残された人が困らないように準備・対策をすることです。
自分自身も安心して暮らせるように、前向きな意味があります。
終活は前向きな準備ととらえる
残される人たちへの思いやりを大事に進める
人はいつそのときを迎えるかわからないものです。家族がいる人も、おひとりさまも、悔いが残らないよう、準備は早いに越したことはありません。
ただ、終活は自分のためならず、家族のためにも行うものでもあります。自分ができないことを行ってくれる家族が困らないよう、自分本位で進めすぎないことがポイントです。
生前・死後ともにやることは盛りだくさん
●終活をしないで急に亡くなると、どうなるの?
●60代もすでに半ば。何も身辺整理をせずここまできてしまった
①生きているあいだに自分でやっておくこと
②自分が亡くなったときに行ってもらうこと
を分けると、終活でやらなくてはいけない内容が見えてきます。
①生きているあいだに
預貯金・保険・株などの整理
不要な不動産の整理
不用品の整理
デジタル遺産の整理
●病気・認知症の準備
緊急連絡先の共有
病気や介護への備え
終末期医療の方針決定
●遺産相続の対策
遺言書の作成
生前贈与などの税金対策
②自分が亡くなったときに行ってもらうこと
●葬儀~納骨までの手配
親族・関係者への連絡
葬儀
法要・納骨
●相続の手続き
戸籍謄本などの取得
遺言書有無の確認
財産の調査
遺産分割の手続き(遺言書がない場合)
預貯金の解約
不動産登記の名義変更や不動産売却手続き
相続税の申告(必要な場合)
●各種手続き
死亡届の提出
年金の手続き
医療費・施設費の精算
公共料金ほか各契約の手続き
葬祭費の申請
保険証の返却